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なかなか戻らないAさんが心配になって戻れば、家のすぐ近くの交差点は凄惨な事故現場と化していた。
「Aさん、嘘だろ、ねえ......」
機械に繋がれてベッドに横たわるAさんにいくら話しかけても、返答はない。
何があってもおかしくない、そうお医者さんには言われた。日付を越えられたらいい方だと。
妹のAを失ってから、いろんなことがあった。
国に認められていない状態の体になって、最初のうちは痛いことも苦しいこともいっぱいあった。自分から選んだ道のくせに、慣れない機械だらけの体内を恨むことも一度や二度じゃなくて。
けど、初めてAさんを見たときから、俺の人生はここからだったのかなと本気で思ったんだ。運命だって。
Aさんはしっかり者だった妹のAとは違って天然で、ちょっと抜けてるところが多くて、見てて危なっかしいけどそんなところも愛おしい存在。俺より年上だなんて信じられないくらい。
あんな出会い方だったし、どうしても惹かれていくのは仕方のないことで。でも、自分から付き合おうとは言えなかった俺に、Aさんは誰よりも優しい愛をくれた。
『蓮がこれから手に入れる幸せを、わたしも隣で見守りたい』
そう言ってくれたことは、今でも鮮明に思い出せる。
「......俺、Aさんがいないとだめだよ」
どうしたら、あなたを救えるの？
またあの時みたいに、どうしようもなく俺の手からこぼれ落ちていくのを黙って見ているしかないの？
伸びるコードと、波線が表示されるモニター。
もう何時間も見つめ続けたそれに、あることを思いつく。
(......おじさんなら、もしかしたら)
Aさんと永遠に一緒にいられる方法を、見つけた。
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灯莉(プロフ) - レモンさん» レモンさんはじめまして。最初からの読者様なんですね！ドラキュラ舘様、一本目ということもあってわたしも思い入れがあるストーリーなので嬉しいです。ありがとうございます(o´艸`) (4月20日 0時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - そして新作も楽しみです。 (4月19日 23時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 灯莉さんはじめまして。最初から読ませて頂きました。どのお話にもいろんな愛の形があるんだなぁと思いました。私は舘様のドラキュラのお話が大好きです。その後夢主ちゃんはどうなったのかも気になります。 (4月19日 23時) (レス) @page38 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年3月25日 21時
