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ぐるぐるとあれこれ回る頭で考え込んでいれば、先生は


「あーいいよいいよ、高校生にはまだ早かったね、こんなお遊びは」



と椅子から立ち上がる。





反射で、その手を掴んでいた。




「.......やります」


「え?」





「先生の彼女、やります」




今度はまっすぐ目を見て伝えれば、先生はにやりと笑って椅子に座り直した。


「じゃ、契約成立ってことで」



するとポケットに手を入れて、カウンターの上に5000円札を置いた。



「なんですか、これ」


「ん?お小遣い。あとカクテル代」


「何も出してないですけど...」


「出せっつってんだよ。俺、客だぞ?」


「......承りました」




嫌悪感丸出しで答えながら一覧表に目を滑らせると、その中にいいものを見つけた。




「...どうぞ。グランド・スラムです」


グラスに入れた淡いオレンジ色のそれを出せば、先生は眉を上げて


「秘密、か。いいの出すね」


と一言。




「知ってるんですか?」


「大学時代にバーテンしてたことあったから。それなりにかじってはいる」



グランド・スラムのカクテル言葉は「秘密」。


今のこの状況にぴったりだろうという皮肉も込めたのだけれど、さすが余裕のある先生。全く意に介してないといった様子だ。




「それじゃ、いただきます」


「...どうぞ」



使った器具を片付けながらカクテルを飲む先生を盗み見れば、シルバーの指輪が目に入る。



きっ!と効果音がつきそうなくらい睨めば、ばちんと目が合った。やば、バレたかも。



「なに睨んでんの笑」


「睨んでないです」


「あそ。...あ、それとさ」


「なんですか?」


「3か月限定な、彼女。二週間頑張れたらご褒美やるよ」


「えちょ、え、3か月...?なんで、」


「なんでもいいだろ。じゃな」




気づけばカクテルを飲み終わっていたらしい先生は、私の質問に答えることなくすぐに立ち上がって今度こそ帰って行ってしまった。




(5000円、返しそびれちゃった)






まあいいや、ありがたくもらっておこう。




こうしてわたしは担任の渡辺先生とひそかにお付き合い(仮)することになり、冒頭に戻るわけだった。

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設定タグ:SnowMan , 渡辺翔太 , 宮舘涼太   
作品ジャンル:恋愛
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るな(プロフ) - 対応ありがとうございます^ ^ (3月21日 12時) (レス) id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。修正致しました。 (3月21日 12時) (レス) id: 63f20e3e12 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 34ページ主の名前変更ならないです。 (3月21日 10時) (レス) @page34 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» るなさん、コメントありがとうございます。早くふたりがハッピーエンドを迎えられるようにわたしも願っております...!楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月16日 6時) (レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 相手の親キモすぎ。早く報われて欲しいです。間違ってでも保護者と一夜過ごしました。とか付き合いましたとかありきたりなのやめてほしい^ ^渡辺先生がんばれ (3月14日 12時) (レス) @page24 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灯莉 | 作成日時:2024年2月23日 22時

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