42 ページ42
「じゃあ、付き合ってはない...んですか」
「ないよ。まあ言い訳にしか聞こえないと思うけど」
「...でも、最初に家呼んだだけで、後は押しかけて来られてるだけなんですよね」
「......でも、呼んでるの俺だよ？」
「じゃあ、関係ないですね」
まあ、付き合ってようが付き合ってまいが関係ないんだけど。
「だって、別に付き合ってないなら先生の彼女は私ってことですもんね」
さっき私が問いかけたとき、躊躇った先生の表情が何よりの証拠だ。
「はー......お前、さ」
そういうとこ、めっちゃ好き。たまんないわ。
ぎゅっと抱きしめられて、耳元に甘い声が落とされる。
「...好きです、先生」
思いきってそう返せば腕の力が強められて、顔を上げようともがいても全然抜け出せない。
「絶対今見んな。くそニヤけてるから」
「み、見たい」
「やめろ見んな」
「やです。見せて」
「...帰せなく、なるから」
「.......いいよ、って言うところですよね、これ」
「...お前さ、いい加減にしろよ」
ぐるりと視界が反転して、床に押し倒されている状態になったことに気づく。
「あんまり煽ったら、俺の勝手にするからな」
「もうとっくに好き勝手されてます」
「......はぁ」
ため息をついた先生は目を閉じて、もう一度ゆっくり開く。その目はまっすぐに私を見ていた。
「......期間、延長だから」
「は？」
「３か月。延長」
こんなときぐらい、素直に言えばいいのに。私にはせこいだの口が達者だの言うくせに。
そう思って、ちょっと照れた表情で目をそらす先生に笑顔で言ってやる。
「延長じゃなくて『無期限』でお願いしますね」
「...お前、ほんっと......」
「なんですか？」
「なんでもねぇよ」
いつも通りの軽口を叩きながら、でも世界一の幸せ者みたいな顔で笑うから、その身体をぎゅっと抱きしめた。
それから私たちは警察で事情聴取を受け、先坂さんのお母さんのことは全てが解決に向かっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 485人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るな(プロフ) - 対応ありがとうございます^ ^ (3月21日 12時) (
レス) id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。修正致しました。 (3月21日 12時) (レス) id: 63f20e3e12 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 34ページ主の名前変更ならないです。 (3月21日 10時) (レス) @page34 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» るなさん、コメントありがとうございます。早くふたりがハッピーエンドを迎えられるようにわたしも願っております...！楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月16日 6時) (レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 相手の親キモすぎ。早く報われて欲しいです。間違ってでも保護者と一夜過ごしました。とか付き合いましたとかありきたりなのやめてほしい^ ^渡辺先生がんばれ (3月14日 12時) (レス) @page24 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月23日 22時
