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付き合う、に踏み込む前になんとかなれ、という賭けだった。
上手くいく保証はどこにもないし、もはやここまできてしまえば付き合う付き合わないなんてあってないようなもの。
それでも付き合うと言いたくないのは、僅かでも心残りがあったからなのかもしれない。
ここまで来ても、脳裏にはあの可愛い笑顔がよぎる。
かわいい。まじで。愛おしくてたまらない。
本当は、俺のものにして、俺しか見えないぐらい愛してやりたい。
けど、それとはもう、さよならをしなくちゃいけない。
「だから、Aにはもう関わらないでください。お願いします」
頭を下げれば、予想してた返答とは違った言葉が返ってくる。
「...渡辺先生、学校辞めたんでしょ?」
「......なんでそれを」
「だって、うちの娘が副校長先生にあの写真を渡したんだもん。渡辺先生来なくなったよ、辞めたんじゃない?って。
まあここまできたからもう近い学校に転校させるけど」
人のことをなんとも思ってない顔だった。娘すらも自分の欲求を叶えるための手段だと思ってるのか。
「まあ、せっかくだしその話、乗るわ。美味しい料理作れるように頑張らないと」
......同棲どころか付き合うとすら一言も言ってないよな、俺。大丈夫だよな?
こんな奴がAに近づくだなんて、考えただけで恐ろしかった。
ひとまず、Aからこいつを遠ざけるための第一歩は成功したようだった。
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るな(プロフ) - 対応ありがとうございます^ ^ (3月21日 12時) (レス) id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。修正致しました。 (3月21日 12時) (レス) id: 63f20e3e12 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 34ページ主の名前変更ならないです。 (3月21日 10時) (レス) @page34 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» るなさん、コメントありがとうございます。早くふたりがハッピーエンドを迎えられるようにわたしも願っております...!楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月16日 6時) (レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 相手の親キモすぎ。早く報われて欲しいです。間違ってでも保護者と一夜過ごしました。とか付き合いましたとかありきたりなのやめてほしい^ ^渡辺先生がんばれ (3月14日 12時) (レス) @page24 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯莉 | 作成日時:2024年2月23日 22時