5 ページ5
「あれ、新人さん？」
「こんばんは！何にされますか？！」
椅子に腰掛けた先生に、うるさいぐらいのテンションで話しかければその表情が固まる。
ああ、絶対バレた。当たり前だ。だって担任だもん......
おまけに今の今までお喋りしていたおじさんは「お、それじゃあ頑張ってね」なんてさっさと立ち去ってしまうし。
これが幸か不幸かを判断する力すら今のわたしにはもう残っていなかった。
「......何にしてくれるの？宮舘」
「............すみません」
にやにやと楽しげにこっちを見る先生に謝れば「意外と素直じゃん」なんて返事。意外とって。
「バイト自体は学校側もOKしてんだし、それはいいんだけど。
お前さぁ、これはまずいんじゃない？」
「...ですよね」
「まあどうせ涼太のためなんだろ」
「......え」
「お前らはほんっとにいつもお兄ちゃんがお兄ちゃんが、AがAが、ってそればっかだからな」
渡辺先生はお兄ちゃんが高校生のときも担任をしていたから、うちの事情には結構詳しい。
どうやらお兄ちゃんとはかなり仲良しなようで、たまに連絡を取っているのを見かける。
「優しい兄貴の力になりたい気持ちは分かるんだけどさー......稼げるもんな、ここ」
「そうなんですよ」
「即答すんなよ罪悪感置いてきたのかお前は」
だって、稼げるんですもん。
思ったより先生の理解がありそうだ。
「とにかく家庭の事情とお兄ちゃんに献身的なんですアピール」で何とか乗りきれないかな......？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 485人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るな(プロフ) - 対応ありがとうございます^ ^ (3月21日 12時) (
レス) id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。修正致しました。 (3月21日 12時) (レス) id: 63f20e3e12 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 34ページ主の名前変更ならないです。 (3月21日 10時) (レス) @page34 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» るなさん、コメントありがとうございます。早くふたりがハッピーエンドを迎えられるようにわたしも願っております...！楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月16日 6時) (レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 相手の親キモすぎ。早く報われて欲しいです。間違ってでも保護者と一夜過ごしました。とか付き合いましたとかありきたりなのやめてほしい^ ^渡辺先生がんばれ (3月14日 12時) (レス) @page24 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月23日 22時
