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バイトのことはお兄ちゃんに後日しっかり怒られて、でも3か月はきっちり働くと話し合って決めた。



先生が言った期限までは、ここにいたかった。



もしかしたら、会いにきてくれるかもしれない。そんな叶うはずもない淡い期待を込めて。





......本当はキャバクラどころか、もう二度と会えないかもしれないのに。



そんなことを考えながら鬱々とグラスを片付けていたら、親しげに名前を呼ぶ声がした。



「Aちゃん、こんばんは」


名前を呼ばれて反射的に顔を上げれば



「......深澤先生?!あっ、あの、」


「ああ、心配しないで。別に咎めにきたわけでもなんでもないから。


ちょっとした用事があって。ああまあ、大事といえば大事なんだけど」


「...どっちなんですか」


今、1年生の担任をしている深澤先生。去年の国語の授業でよくお世話になった。


「ははっ。まあ大事なことだよ、Aちゃんにとってはね。


なんかひとつ貰っていい?そうだな、フローズンカンパリオレンジとか」


「...?はい、承りました」


メニュー一覧を見ながら作ってカウンターに置けば、「へー、美味しいね」と言う。


「飲んだことないんですか?てっきりお馴染みの味なのかと」


「全然!ちょっと知り合いの誕生日カクテルだって聞いたから気になってて」


「誕生日カクテル......誕生石みたいなやつですか?」


「そうそう。最近はほんといろんなのあるよねー。


あ、でさ、Aちゃん」



カクテルを少し飲んでグラスをカウンターに置いたら、深澤先生は何やら真面目そうな話を始める。



「実は大事な話があるんだけどね」


「.......はい」




「翔太、まだ辞めてません」


「え..........?」



深澤先生の言ってることがよく分からなくて、聞き返せば先生はにこにこ微笑む。



「でも、辞めるんじゃ、」


「んー、まあ正確に言うと確かに辞めようとはしてたんだけど」


「......!」



辞めようとはしてた。


その言葉に背筋が冷えたけれど、深澤先生は淡々と続ける。




「ちょっといろいろあって、俺と阿部ちゃんが頑張って辞めさせないように根回ししました〜拍手っ」




「ね、根回し...?」

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設定タグ:SnowMan , 渡辺翔太 , 宮舘涼太   
作品ジャンル:恋愛
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るな(プロフ) - 対応ありがとうございます^ ^ (3月21日 12時) (レス) id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。修正致しました。 (3月21日 12時) (レス) id: 63f20e3e12 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 34ページ主の名前変更ならないです。 (3月21日 10時) (レス) @page34 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - るなさん» るなさん、コメントありがとうございます。早くふたりがハッピーエンドを迎えられるようにわたしも願っております...!楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月16日 6時) (レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 相手の親キモすぎ。早く報われて欲しいです。間違ってでも保護者と一夜過ごしました。とか付き合いましたとかありきたりなのやめてほしい^ ^渡辺先生がんばれ (3月14日 12時) (レス) @page24 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灯莉 | 作成日時:2024年2月23日 22時

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