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言葉が出なかった。
今まで自分が当たり前に信じていたことが、全部全部崩れ去っていく。
涼太さんはそんなわたしをよそに平然と続ける。
「昔はドラキュラって信仰対象でね、ドラキュラに血を分け与える人が聖職者って呼ばれてたんだ。
でも、それじゃ物足りなくて人間を勝手に襲いはじめた奴のせいで、聖職者のポジションはいつの間にか変わっていった」
「...それじゃあ、」
「『これ』は想定外だったけどね。こんな状態で新月の森に来るなんて、俺に襲われたいの？」
わたし両手首を片手で拘束したまま、もう片方の手で下腹部を撫でる。
皮膚の薄い手首が擦れて鈍い痛みが走った。
「新月の夜はいつもお父さんが来るからさ、もっと時間をかけて堕とそうと思ってたんだけど。
Aちゃんの気配がして、我慢できなくてもう手当たり次第に食べちゃってたんだよ？」
「あれも、涼太さんが...？」
黒ずみはじめていた人の顔を思い出す。首筋には大きな傷が開いていた。
「普通の人間のはあんまり美味しくないんだけどね。
それに比べたら今のAちゃんは、俺からしたら最高の御馳走だよ？ほんとは今すぐここで食べちゃいたいんだけど......
これ、食べてからね」
その手に握られていたのはあの飴玉だった。
「Aちゃん、最近来なかったからこれ渡せなくてさ。咳出てるよね、辛くない？」
「......え、」
確かに、あの飴玉を食べると元気になるような気はしていたけれど。
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
