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様子がおかしい。
そう気づいた時にはもう、わたしの身体は地面に押し倒されていた。
転んだ時に地面に落ちていたライトが、彼の顔を照らす。
燃えるような赤と、目が合った。
「りょう、た、さん」
「ごめん。....もう我慢できない」
噛み付くように口づけられ、分厚い舌が咥内を動き回る。上あごをなぞられて身体がびくびくと震えた。
「ん、っう」
「...っは、美味いね」
目の前で優しく微笑む涼太さんが、今は怖くてしょうがなかった。
あんなに優しかったのに。
いつも送ってくれて、見回りのときも一緒にいてくれて、美味しい料理だって作ってくれてたのに。
姿は大好きな涼太さんなのに、まるで知らない化け物になってしまったみたいだった。
どうして、この人はドラキュラと同じ姿をしているの？
「分からない、って顔してるね」
「...はなしてください」
「ドラキュラについての文献は全部言い伝え。Aちゃんたちに伝わってることは現実とは全く違うんだよ」
「言い、伝え」
「そう。俺たちは普段こうして普通の人間の姿で生活しているし、普通の料理も食べられる。
なんなら人間の血はいらない奴だっていっぱいいるよ？俺は古代の血が強く残ってるから必要なだけ。
皮膚が固いのも血液が黒いのも全部嘘。
まったく、どこからそんな情報が出回ったのかな...まあ、」
この目の赤だけは残ってるんだけど。
耳元で囁かれ、その感覚にまた身体が反応してしまう。
「ねえAちゃん、聖職者って誰の血を引いてるか知ってる？」
「人間で最初に、ドラキュラに打ち勝った人の...」
そう答えたわたしに涼太さんは楽しそうに笑って、
「本当は聖職者ってね、
ドラキュラが好きな血の味をしてるんだ」
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
