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真ん中からぽっきりと折れた十字架にもたれかかるように二人の男の人が倒れている。
大きな傷ができている首から血がどくどくと流れ出ていて、その顔は真っ青を通り越して黒ずみはじめていた。
近寄って確認してみるものの、誰が見てももう助からないことは明らかだった。
それだけじゃない。噴水は真ん中の噴出口も周囲の壁もぐちゃぐちゃに破壊されていて、血のこびりついた瓦礫と漏れ出た水が血と混ざり合って地面を汚している。
そして、あたり一面に広がる羽や毛。
おそらく、動物たちも死んでしまっている。動物たちの死骸は見当たらないものの、足元にはふくろうの小さな足が転がっていた。
「......なに、が」
背筋に悪寒が走り、足がすくむ。これはまさか、と思ったその時。
「Aちゃん？！」
聞こえた声に振り返れば、そこにいたのは涼太さんだった。
「涼太、さん」
「今日は新月だよね、どうして」
「お父さんが腰を痛めてて。ごほっ、それで、代わりにわたしが」
「ここにいちゃだめだ。行こう」
手を掴まれて涼太さんの家の方向とは違う方に走り出す。
どこへ、と聞く間もなく引っ張られて、涼太さんのスピードについていくのに必死だった。
変わらないどころかどんどん早くなっている気がする足取りに、わたしの足は悲鳴をあげていた。
「りょ、涼太さん、ま、まって、っげほげほっ」
「......」
「ねえ、涼太さん」
「......」
「まってってば！！...きゃっ！！」
反応のない涼太さんに大きな声を出した拍子に足がもつれて、その場で転んでしまう。
手が離れて、涼太さんは数歩先で立ち止まった。けれどわたしの方を振り向くそぶりもない。
「涼太さ、」
「ねえ、Aちゃん」
呼びかけると食い気味にわたしの名前を呼んで勢いよく振り返り、ずかずかと近づいて来る。
うつむいていてその表情はよく見えなかった。
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
