・ ページ6
「この前だって一人殺されていたし、今日Aが行くのは危ない。それに体調だって万全じゃない」
「でも町の人たちだって危ないでしょう？っごほっ、
それに、わたしはもう月のもの終わりかけてるから大丈夫！元気だから！」
「だめだ、行ったら危な、おいA！！」
月のものが終わりかけているというのは嘘。まだ2日目だからわたしの身体からはまだ血液が排出されている。
でも、町の人たちだって危ないことに変わりはないし、そのためにわたしたち聖職者がいるんだから。
怖い気持ちがないと言ったら嘘になるし、このところ体調が良くなくて咳が出たり体が思うように動かなかったりすることも確かにある。
(けど町の人たちはドラキュラから身を守る術が多くないんだし、わたしが行かないと！)
それに、夜の見回りに行くと涼太さんもたまに姿を現すことがある。森に詳しいようで、近道や危ないところを教えながら一緒に歩いてくれる。
涼太さんは大人の男の人だしわたしより遥かに強いから、きっと何かあっても大丈夫。
お父さんを振りきって、持ち物をひっつかんでわたしは家を出た。
(...大丈夫、ライトも持ってきたし)
新月で真っ暗の森を、普段は使わないライトで照らしながら進む。噴水まであと少しだ。
満月の時はあんなに明るい森が今日は全く違った姿に変わっていて、そのせいか動物の鳴き声も聞こえない。
(新月の森ってこんな感じなんだ)
いつもはお父さんが来ていたから知らなかった。ふくろうの鳴き声もない静かな道を進んで、噴水のある広場に出た瞬間。
「......？！大丈夫ですか？！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 418人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
