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「ま、まって。どういうこと?」


「......まさか、忘れたの」



いつも強気なくせに、こういうときは不安そうになるところとか。



「そそそ、そんなわけない!覚えてる、覚えてるけど、ちょっと混乱してて...そんな、っ」


「あー...泣くなよ、もうお父さんもじいやもいないんだから泣かれると困るだろうが」


「っ、そう、だけど、」



生まれたときから知ってるくせに、わたしの涙にはめっぽう弱いところとか。



「.........遅くなって悪かった」


「ばか、翔太のばか...っ」


「ちょっとは大人しくできないのかよ、ほんっと変わってねーな」



何も、なにもかも変わってない、翔太のままだった。




「A、あれ、まだ持ってる?」


「...持ってるよ」



いつも肌身離さず持っていたあのハートの折り紙。ワンピースのポケットから取り出して、翔太の手に載せる。



すると翔太は「違う」とそれを突き返してきて。



「読んでよ」


「いま?!」


「いま。」


「外なんですけど、」


「感動の再会を台無しにすんのか」


「もー、わかったから!


......翔太へ」



ひらがなで書かれたぐちゃぐちゃの、でも一生懸命書いたんだろう文字列を読み上げる。



「いつも一緒に、遊んでくれてありがとう。翔太とまたトランプがしたいな。練習、頑張ってきてね。怪我しないでね。翔太が怪我したらAも悲しいです。練習終わったら、じいやのクッキーを食べようね。まってるよ。


......翔太のことが大好きな、Aより」


「...ふっ」


「あ!笑ったでしょ!」


「いや笑うだろ...ふはっ」



感動の再会とか言ったのは誰よ。


こっちは感動どころかまだ衝撃が抜けないのに手紙を読まされるわで大混乱なのに!



ひとしきり笑って満足したのか、翔太は今度はにやにやしながら口を開く。


「で?今のAからのメッセージは?」


「はぁ?!いい加減にし、」



文句を言いかけたら片手で目を覆い隠されて、それを遮るように唇に柔らかい感触。


一瞬驚いたけれど、すぐにその感覚は馴染んできてそれを受け入れた。





「愛してるよ、A」



「...ばか」

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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます!作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...!全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灯莉 | 作成日時:2024年2月17日 16時

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