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そして、わたしが涼太さんのところに行くとっておきの楽しみがひとつある。
「また明日来ますね、涼太さん！」
「ほんと、Aちゃんは俺のとこに来るのが好きだよね。...あ、これね。忘れないで」
帰り際に涼太さんが毎回くれる飴玉。綺麗な赤色の飴で、少し大きいから食べると口の中がいっぱいになってしまう。
「この飴、帰ってから涼太さんのこと思い出しながら食べてます、えへへ」
「ええ、そんな可愛いことしてるの？反則じゃん」
「そうやって笑ってる涼太さんの方が可愛いです！」
「絶対Aちゃんの方が可愛いよ」
涼太さんがわたしの手に飴を握らせて、その手で頭をぽんぽんしてくれる。
この飴、一見すると普通の飴のようなんだけど、溶けるのが遅いのか長い時間舐めないとなくならないのだ。
舐めてると涼太さんとその日話したことが頭の中を駆け巡るし、疲れている時に食べれば心なしか元気になれるような気がする。
「涼太さんってほんと、わたしを喜ばせる天才なんですか？」
「その言葉そのままお返しさせてもらうよ」
そんな甘い言葉も、涼太さんが相手ならまっすぐ心に響いてきてしまうんだから不思議だ。
そうして涼太さんのところに通うようになって、３か月ほどが過ぎていったある日。
「A、今日の見回りはやめよう」
「なんで？いいよ、わたし行くから...げほっ」
「だめだよ、今日は新月だしAは月のものがきているだろう。ほら、咳も出てるし」
「......でも」
今日は新月の日。ドラキュラの力が増大する日だ。そして、ちょうどわたしの月のものと被ってしまっていた。
月のものがきている女性はドラキュラをおびき寄せやすくなると言われていて、あまり外には出ないのが暗黙の了解。
でも今日は、お父さんが昨日の見回りで腰を痛めてしまって歩けないから見回りに行けるのはわたしだけ。
最近実はドラキュラによる被害がいくつか発生しているし、そのせいもあってしばらくお父さんが出かけていてわたしは見回りには行っていなかった。
こんな時だからこそわたしたちが町の人たちを守らないと。
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
