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「一回、Aと二人にしてもらってもいいですか」
「......ああ。20分後に集合にする」
「ありがとうございます」
大広間を出ていくふたりを見送って、静まり返った部屋でわたしと翔太だけ。
「A」
沈黙を先に破ったのは翔太だった。
「......なあに？」
「いま言ってたことさ、マジ？」
「......ほんと、だよ」
翔太がいない毎日なんて考えられない、そう言ったことを思い出して、恥ずかしさと悲しさで心がぐちゃぐちゃになって翔太から目をそらして俯く。
すると翔太はそれこそこんな時なのにふははっ、と大笑いし始めた。
「やべ、めっちゃ嬉しいわ」
「...何言ってんの、」
「当たり前だろ」
翔太の手がわたしの頬に触れて、そっと上を向かされて目が合った。
「......何年好きだと思ってんだよ」
時間が止まってしまったのかと思った。
周りの音も、今までの悲しみもなにもかも全部なくなって、まるで世界にはわたしと翔太しかいないみたいな。
翔太がわたしを見つめる目は、こんなに蕩けるようなものだったっけ。
「......ほん、とに？」
「なに、疑ってんの？笑」
「ち、違うけど！...その、うれ、しくて」
「いーじゃん、素直で」
翔太はわたしを抱き寄せて、後頭部をゆっくり撫でてくれる。
普段の翔太からは全然想像もできないその優しい手つきに、じわりと涙が滲んだ。
「......しょーた」
「なに？」
「いかないで..................」
やっとの思いで絞り出した一言に、翔太はいつもの顔で、でもいつもより何倍も甘くて柔らかい顔で笑った。
「ばーか、俺はお前を守るのが使命なんだよ」
すごくかっこよくて、切ない笑顔だった。
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
