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やっぱり、この人は本当に態度がデカすぎる。
こんなことをしでかしておいて、こんなに優しい顔で笑いかけてくるなんて。
「.........ばか」
「えぇ〜？酷くない？そこは『ほんとに？辰哉くんかっこいいー！』って言うところだよ」
私を元気づけようとしてわざと軽口を叩いてるのは分かっている。
だからこそ、余計に心にくるものがあって、ついに堪えていた涙が溢れ出した。
「ばかに決まってます」
「...Aちゃん、」
「私のことを追いかけてきたら、あなたは国から追われる身になるでしょう？！」
「そんなの」
「よくないです、全然、ぜんぜん、よくない......
いちメイドのことなんか好きになって自分のすべてを手放すなんて、大馬鹿者のやることです」
ぼろぼろ溢れる涙を止めもせず感情のままに訴えれば、そっと抱き寄せられた。
「ねえ、Aちゃん」
「......なんですか」
「俺の『すべて』はね、ここにしかないの」
ゆっくり頭を撫でられた後、目線を合わせられる。
「元々この立ち位置もあの親父もなにもかも全部、俺とは気が合わなかったし不満だらけだった。
Aちゃんは俺にとって、あの家の中で唯一安心できる拠り所なの」
「......！」
「ってわけでさ、結構な大罪判定を喰らってる子を逃がしちゃったってことで、もちろん俺ももう追われる身なんだけど」
そんなことを言われて私の心臓がどうなってるかも知ってか知らずか、いつものようにぽんぽんと喋り続ける。
「一緒に逃げてくれない？」
「......当たり前でしょう、私がいないとなんにもできないじゃないですか」
目をそらしたまま返せば、彼は軽く笑って私の顔をのぞき込んできた。
「かわいいこと言っちゃって。Aちゃんの方でしょ、俺がいないとなんにもできないのは」
「......！そんなことな」
「なればいいのに。俺がいないと生きていけないように、なっちゃえばいいのにね」
「...やめてください」
「ははっ、素直じゃないなー。かあいいね」
「と、とりあえず！ご飯食べるんじゃないんですか」
「そうそう、そうだった！ほらせっかくだしなんか作ってよ」
「もー、わかりました」
「あなたがいないと生きていけない」になるのは、案外遠くない未来のようだ。
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
