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もう驚いて言葉も出ない私をよそに、彼は当たり前のように運転席に座ってアクセルを踏み込んだ。
その横顔を盗み見れば、見たことがないぐらい焦った表情をしていて。
毎日適当な口ぶりと態度で飄飄としていたあの王子様が、だ。
「俺が持ってる家で一番遠いとこ行くから。あとそれ、お水飲んで？疲れてるだろうし。
ちょっと時間かかるから一旦寝てていいよ」
あなたがそんなに焦っているのに、私がそんなことできるわけ。
そう思ったけれど、指し示されたペットボトルの水を飲めば、意識がむしり取られるように暗闇に沈んでいった。
「......っ！」
「あ、起きた？」
がばりと起き上がったそこは、見慣れない部屋。
なんで、こうなったんだっけ。確か、この人に連れ去られて、俺が持ってる家が云々みたいな......
どうやら、私は助け出されたようだった。
「おはよ。何か食べる？まあ俺料理とかできないから、インスタントかAちゃんが自分で作るかになるけど。
なんか簡単に食べれそうなものあったかなー......」
私が起きたのを確認して、何事もなかったかのように立ち上がる。
冷蔵庫の中身を確認しているんだろう、がさごそと袋が擦れ合う音が響く。
「なんで、なんで...こんなこと、したんですか」
「あ、ごめん聞こえなかったわ。なんて？」
「...なんで、私なんか助けたんですか！！」
「『なんか』じゃないよ」
冷蔵庫を閉めてからこちらに歩み寄ってきた彼は、そのまま私の手を握る。
「俺は、Aちゃんのことが一番大事だから。それ以上のものは無いよ」
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
