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「入れ」
「......っ」
「早く入れ！」
着いたのは、私の仕事場であった深澤家......の地下にある独房。
予想通りだった。
一番最悪なルートに来てしまったらしい。
「結果は追って伝える。」
短く言い残されて、がちゃん、と鍵が閉まる音がした。
暗くてじめじめした部屋にひとりぼっち。
なんで、こうなってしまったんだろう。
じんわりと滲んだ涙をごまかすように目を閉じた。
ガチャガチャと、重たい南京錠を動かす音がする。
「誰......？」
いつのまにか寝てしまっていたのか、その音ではっきり目が覚めた。
まさか、もう処罰の時間になってしまったのだろうか。
時計がないからどれくらい経ったのかわからないけれど、まさか１日も経たずに終結を迎えることがあるだろうか。
疑問に思いながらわずかに開くドアに注視していたら、
「.....久しぶり」
そこにいたのは、みんなの「王子様」だった。
「え.........？」
状況がよくわからなくて困惑する。なんで、あなたがここにいるの？
処罰はその担当の人たちがやることであって、そんな高貴な立場の人間がすることではない。
けれど彼はそのまま私の手を掴んだ。
そして、
「よし、じゃ逃げよっか」
「っえ？！ちょ、...っ！」
普通に独房を出て、似たような部屋が並ぶ廊下をサクサク進んでいく。
どこでその知識を得たのか、私にはさっぱり分からない道順が頭に入りきっているように歩く。
「まって、まってください」
「待ってる暇はないけど、話なら聞くよ？」
「いや......何してるんですか？だって私、捕まってるんですよ？」
「そうだね、だからどうしたの？」
「...？！こんなことしたら、」
あなたまで捕まりかねませんよと言いかけた瞬間、ビー、ビー、と上にあるランプが赤く点滅し始めた。
「あー...だよね、まあ予想の範囲内だけど」
「予想の範囲内、って、これやばいんじゃ...」
「仕方ないな。走るよ！」
「ええっ？！」
ぐっと強く腕を引かれたと思ったら、トップスピードで走りはじめた。ちょ、私の足じゃついていけないんですけど...！
何が何だか分からないままとにかくめちゃくちゃに足を動かして薄暗い独房の廊下を走り抜け、気付けば外に出て車に乗せられていた。
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
