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ぼろぼろの足で階段を上りつづけ、どれくらい時間が経っただろうか。
「......あ」
足元に続いていた段が途切れた。
薄い芝生に一歩を踏み出して前を向けば、そこには古い大きな本殿があった。
初めて見たけど、間違いない。
(ほんとにすごく大きい......)
村長の家でもとても敵わないような大きさでずっしりと構えている。
山にこんなに広い開けた土地があったなんて知らなかった。
これから、どうしたらいいんだろう。
本殿に入る？でも、ここには神様が住んでいるわけだし。かといってこのまま夜まで外にいるわけにも...
本殿まできたところでその先どうしたらいいかなんて聞かされていないし、確かに生贄になった人たちが誰も生還しないのも納得だった。
霧が少し立ち込めるあたりを見回しながら立ち止まったその時。
「......誰？」
「え？」
振り向いたら、本殿の縁側に背の高い男の人が立っていた。
訝しげにこっちを見ていて、ちょっと表情が怖い...ような......
「.........あ、もしかして」
「......？」
「また生贄がなんとかとかいうやつ？」
なんと返すべきか思案していると、
「上がって。何か嫌いな食べ物とかある？」
「......え？」
何か言われるかと思いきや、想像とは真逆に近い気の抜けた質問に思わず声が出てしまう。
「何かあるかって聞いてんの」
「な、ない...です...」
「ん。はい、荷物貸して」
手招きされるままに縁側に上がれば、彼は私が背負っていたお酒の瓶やお米などが入っている袋をひょいと取り上げて、私に背を向けて歩き出す。
ついてこいってこと、なのかな。
そのまま大きな本殿の縁側を半周して、彼は入り口の扉に手をかける。
「えっ、あ、あの」
「なに？」
「勝手に、入っていいんですか」
そう尋ねたら、少し怖かった表情を崩し、楽しそうに笑い出す。
「あはははっ、めっちゃ面白いね。俺、ここに住んでんだよ？」
「...もしかして」
思い当たる節というか、もうそれしかない答えに反応すれば、にやっと笑って彼は言った。
「そ。俺が『蛇神』ってやつ」
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
