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「...っ」
前に亮平くんは、「もし出会ったりしたら信じるの？」と聞いてきた。
それに対して、亮平くんがこんなことになっていたなんて知るわけもないわたしは「逃げるんじゃない？」なんて返してしまった。
でも、亮平くんはわたしにとって特別なんだ。
どんな姿だって関係ない。
「亮平くん...っ！！」
「ちょっと、A？！」
走り出した勢いで、狩りの輪に加わっていたひとりを全身の力を込めて突き飛ばす。
「うわっ、...おい危ないぞ、離れろ！！」
「危なくなんかない！！！」
その隙に落ちた弓矢を拾って、そのまま庇うように亮平くんの目の前に立ち止まる。
「A、来ないで、離れて」
「嫌だ。絶対離れないから」
肩で息をする亮平くんの右足からは血が流れていて、もう動けないんだろうと悟る。
怖くなんかない。
だってあなたは、化け物じゃなくてわたしの大好きな人なんだから。
あなたを守りたい。
震える手で、矢じりを自分の喉元にぴたりとくっつける。
「離れて。...亮平くんのことこれ以上傷つけたら、許さない」
「A......！！やめて、お願い！！離れて！！」
お母さんが泣きながら叫び始めて、みんなが「おい、一旦離れたほうがいい」と周りの男の人たちが距離をおいていく。
ごめん、お母さん。
心の中で謝りながら、後ろにいる亮平くんに小声で尋ねる。
「走れる？」
「A、だめだ。村に帰って」
「嫌。亮平くんのいない村になんて戻りたくない」
そう返すと、急に亮平くんが立ち上がった。向こうからはどよめきや怯えた悲鳴が起きる。
「......ついてきちゃだめだよ」
「え？あ、待って！」
そう言うが早いか、右足を庇いながら亮平くんは裏山に走って行ってしまう。
周りには村の人たちがいる。今ここにいたところで、わたしがどうなるかなんて決まっている。
だったら。
「Aーーーー！！！」
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
