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「今日はなにするの？たまには国語とかしようよ」
「じゃあ、そうしようかな」
「わかった。お菓子持ってくるから、待ってて」
亮平くんはわたしより6歳くらい年上のお兄さんで、昔から家族ぐるみで仲がよかった。
ご両親が亡くなられてからはご近所さんから支援を受けながら頑張って勉強して、今はかなり良い学校に通っている。
そしてわたしと亮平くんは、わたしがまだ5歳のときにお互いの両親が決めた許婚の関係なのだ。
小さいときから一緒に遊んでくれているし、ふたりでお風呂に入ってたことだってある。
わたしは亮平くんのことが大好きだし、亮平くんもわたしのことを好きでいてくれてる。
けどわたしがここに来ているのは、単に亮平くんと過ごしたいからだけではない。
「じゃじゃーん！今日はAの好きなよもぎ餅でーす」
「やった！」
「お隣りさんから5個貰ったから、Aがみっつ食べていいよ」
「ほんとに？亮平くんはいいの？」
「Aが食べてるとこ見るの好きだから」
「ふふふ、ありがとう」
よもぎ餅とお茶の乗ったお盆の隣にあるのは、亮平くんが学校の先生から貰っているという教本。今日は国語。
女の子は裁縫や料理をするのが当たり前だと言われて育ってきたし、わたしもそうだった。
でも、亮平くんは勉強をするのが好きだと昔から言っているし、好きな人の好きなことはわたしも一緒に楽しみたい。
それに、亮平くんのお友達に何人かいる頭の良い女の人の話が好きだったから。
そこで、亮平くんが提案してくれたのがこのお勉強会だった。
「Aはいつも勉強頑張っててえらいね。
俺とは違って家のこともいっぱいしなくちゃいけないのに」
「亮平くんだって一人暮らしなんだから家事はしてるでしょ」
「でも着物とかはご近所さんがいつも贈ってくれるし、ご飯も余っちゃったからってよく持ってきてくれるから。」
「それは近いうちにわたしがやるんだから亮平くんはしなくてもいいんだよ」
「でも、Aだけに負担かけるわけにもいかないし。ほら、国語やるよ」
「はあい」
頭がよくて優しくてかっこいい亮平くんに相応しいお嫁さんになりたい、それがわたしの夢。
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
