狼男 × 村娘【緑】 ページ11
「狼男？」
「そう！萌ちゃんの兄さんが見たんだって」
「へー」
「A、興味ないの？狼男だよ？！」
「だって見間違いとかかもしれないし...」
そう返すと、目の前でおはじきをつついて遊ぶ沙枝は不満げに声を上げた。
「でも萌ちゃんの兄さんは猟師だよ？見間違えたりするかなあ......」
「だとしても、私たちには関係ないし。
ほら沙枝、おつかいは？お豆腐頼まれてなかったっけ」
「...あっ！A、ありがとう！」
おはじきをかき集めて着物の袂に入れ立ち上がった沙枝がそのまま走っていったのをしっかり確認して、私は「ある場所」へ向かった。
こんこん、と扉を叩くと中から「は〜い、今行きますね」と返事があった。
「すみません、遅くなり......
なんだ、Aか！なあに、今日はどうしたの？」
「...暇だったの」
「今日は沙枝ちゃんと遊ぶって言ってなかった？
あちょっと、またそうやってすぐ俺の家入るんだからー」
亮平くんの横をすり抜けて中に入ればそんなお咎めが飛んでくるけれど、亮平くんはわたしに甘いから追いだしたりなんてしない。
「...あ、もしかしてまた沙枝ちゃんが狼男の話したの？」
「......だったら、なに」
「なんもないって〜！Aはすぐ拗ねてかわいいなって思っただけ」
「...だって」
「はいはい、嫌だったんだねー？狼男の話嫌いだもんねーA」
「......」
「あはははっ、ほっぺたもちもちだね。かわいい」
玄関の扉を閉めた亮平くんが後ろから抱きついてきて一緒にずかずかと前進する。
亮平くんは背が高くて歩幅も大きいからこれをされるといつもわたしは一生懸命廊下を歩かないといけなくなる。
抵抗の意思を込めて亮平くんの着流しの袖を引っ張るけど、意に介さないといった様子でまた笑う。
頬を膨らませたら人差し指でつんつんしてくるし、亮平くんはわたしをからかうことにいつも余念がない。
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灯莉(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、ありがとうございます！作品にコメントをいただくのは初めてなのでとても嬉しいです。おおかみこどもの雨と雪、いいお話ですよね。そう言っていただけて光栄です...！全メンバー書く予定なのでぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。 (3月7日 22時) (
レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めっちゃ良かったです。舘様のドラキュラ、阿部ちゃんの狼男、ひーくんの蛇神どれも良い話しでした。けど、狼男では、アニメのおおかみこどもの雨と雪、あれを、亮平君と重ね合わせ合わせて読んでしまうくらい感動しまって。もっと続きが知りたいです。待ってます。 (3月7日 18時) (レス) id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年2月17日 16時
