23話 ページ25
練習が終わり、下都賀に言われたように俺は
私服で〇〇町まで来た。でも、
「下都賀がいない……。」
今日は土曜。この辺りはデパートやら雑貨屋が
多いため、俺の周りにはカップルだらけだ…。
「えー。マジかよ。」
俺は壁にもたれかかり、携帯を開いた。
下都賀にLINEしようと思った。
「ねぇねぇ！あの人すごい可愛くない⁉ 」
「ホントだ！うわっ足ほっそ〜！」
「鼻も高いし、ハーフかな⁉ 」
俺は通りすがりの女子高生たちの会話を聞いて
チラッとその方向を見た。
するとデパートの前でスマホをイジっている
下都賀が立っていた。白のブラウスにジーンズと
スニーカーといったラフな格好をしていた。
「……下都賀！」
「……あ、白布くん。」
下都賀は俺に気づき、こちらに歩み寄って来た。
周りの人が下都賀に注目する。もちろん男も。
「ごめん、今来た。」
「大丈夫だよ。待ってる時間音ゲーしてたし。」
「お、音ゲー……。」
「じゃ、いこ。」
下都賀は俺の前に立って歩き出した。
ふわっと下都賀の髪の香りが漂った。
「そういえば下都賀。今日練習来れなかった
理由って一体なんなんだ？」
「……まぁ、いろいろと。」
「へ？」
俺は気まずそうに目をそらす下都賀をみて、
グッと息を飲み込んだ。
「ん、着いたよ。」
「お、おー…ってデカっ！」
俺たちが足を止めた目の前には一軒の家が
建っていた。新築だろうか。
「豪邸かよ……。」
「んー。わたし的には広すぎてちょっとね。」
「贅沢者め。」
「さ、はいって。」
下都賀の後について行く。
「ただいまー。」
「お邪魔します……。」
「私の部屋3階…。」
「おう……。」
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作者名：艶女鬼花陽 | 作成日時：2018年5月28日 21時
