1話 ページ2
あいつが白鳥沢高校に転入して1ヶ月がたった。
メガネにお下げ髪…長めのスカートという地味な
服装…。担任の転入生宣言の後の男子の反応を
見事ぶち壊した女。
無愛想なせいか女子もほぼあいつに関わっていない
でも特別コミュ症ってわけじゃなく…
「バレー部のマネージャー…したいんですけど。」
三日経ってからは俺たちバレー部のマネージャー
をすることになっていた。
「ねぇねぇ下都賀ちゃあん！
メガネとってよぉ〜！ちょっとだけ！」
「それでは仕事ができません。」
うまくとけ込んでいるのかいないのかわからない。
だからそんなあいつを……
「………あいす？」
「うん、大平さんがみんなに奢ってくれる
らしいんだ。だからお前も…。」
「いえ、結構。そんな楽しい場に
わたしなんかがいたら空気が暗くなるだけよ。」
少し下を向く下都賀。そのとき
「残念だな、下都賀には特別に限定の
イチゴ果汁100%モナカアイスを買ってやろうと思ったんだがな………。」
「大平さん⁉ 」
「…………いきます」
「ええ⁉ 」
下都賀はふんっと鼻を鳴らし、大平さんに頭を
下げてそそくさと更衣室に向かった。
「あの、大平さん。ありがとうございます。」
「いいってことよ。オレもあの子と仲良く
したいしな。それはチームみんなも一緒さ。」
「そうなんですね…。」
白布はホッとした。そしてバレー部
スタメンメンバーも着替え終わり、あとは
下都賀が出るのを待つだけ。
「お待たせしました！」
相変わらずの地味さ…。
そして俺たちは近くのコンビニまで向かった。
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作者名：艶女鬼花陽 | 作成日時：2018年5月28日 21時
