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野田 詩織。
俺の同級生。
中学二年生の時に転校してきた生徒だ。
彼女は俺と似ている。
何故なら、声を出せないからだ。
俺は音が聞こえない。
彼女は音を聞かせられない。
特に付き合いもなかった。
しかし、何を思ったのか俺が丁度、教室に入るタイミングで紙を見せられた。
何で、俺なんかに関わろうと思ったんだろう。
耳が不自由で腫れ物扱いされていた俺に。
とても不思議で堪らない。
トントン
誰かに肩を叩かれた。
そう、野田さん。
彼女は紙を見せた。
『何を考えているの？』
そう、あの紙を見せられた後の昼休み、何故か学校の体育館横に連れてこられたのだ。
俺は音が聞こえない。
なので、自分の声が聞こえなくて上手く喋れているのか分からない。
俺が無口になったのはそのせいだ。
「な…んでも無い…」
自分の声は聞き取れない。
俺は上手く喋れただろうか。
『江原君もこれ、使う？』
野田さんが持っているスケッチブックを指差しながら紙を見せた。
「いや…いい」
紙で会話を始めてしまうと「喋る」という動作をする事が無くなって、自分から逃げることになる。
俺は、ずっとそう思っていた。
『でね、話なんだけど。さっき紙を見せたでしょ？あの通り。貴方は音を、私は声を一緒に話そ取り戻そう！』
「どうやって…」
俺は親にずっと『いつか治る』と言われ続けていた。
ずっと、隠してたんだろ？
もう一生治らないって。
だってさ、事故にあった直後、まだほんの少しだけ音が聞こえるとき。
医者と親の会話聞こえたんだよ……
「治すのは難しい」って。
音の無い静かなこの世界で俺は生きていかなきゃいけないんだ。
それが運命なんだよ…。
『歌を唄うの！』
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ギター少女 - 芽衣さん» ありがとうございます！ (2017年2月9日 13時) (
レス) id: 14d0be1d4d (このIDを非表示/違反報告)
芽衣 - いつもは感想とか残さないんですが、素敵すぎたので、書いておきます！これからも頑張って下さい！ (2017年2月9日 11時) (レス) id: caa1b19b4c (このIDを非表示/違反報告)
ギター少女 - みあさん» ありがとうございます！頑張りますね！！ (2017年2月9日 10時) (レス) id: 14d0be1d4d (このIDを非表示/違反報告)
みあ - 初めて占ツクに来て作品を読ませて頂きました!!凄く良い作品で、感動しました!!これからも頑張って下さい!!尊敬してます!!! (2017年2月9日 10時) (レス) id: aeae7880df (このIDを非表示/違反報告)
ギター少女 - さややさん» ありがとうございます！ (2017年1月20日 19時) (レス) id: 14d0be1d4d (このIDを非表示/違反報告)
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