少女の願い事2【赤髪の白雪姫】 (ページ2)

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白雪達がタンバルンでの1日を終えた頃、タンバルンの港では、ゼン達の前から姿を消したはずの巳早がある少年に話しかけていた。

「探したぜそこの美少年」

そう声をかけられた美少年はくるりと巳早のほうを向く。

「あーっあんた！前に船で会った…」

「あんたがタンバルン行きの船に乗ったって聞いて追ってきた」

巳早の言葉を聞き不思議そうに眉を顰める少年。

「クラリネス内で停泊してくれるやつでラッキーだったよ」

「何俺になんか用なわけ？」

「俺あの後、王都でひと稼ぎして帰ろうと思ったんだけど顔見知りには警戒されるしいつも金髪の奴に睨まれてるし感じ悪い猫はいるしでやり辛くてさ」

「はぁ」

美少年は勝手に語りだした巳早の話をろくに理解もできず、相槌をうつ。そんな美少年を無視し巳早は尚も話を続けた。

「だから、赤髪を狙う目の前の悪党を捕まえて手柄にした方がでかい金稼ぐのと恩売っとくのに良さそうだなってーな！」

その言葉に目を鋭くさせ、巳早が1歩足を出した瞬間身軽に巳早を飛び越えた美少年。

「うわっとお！」

少年のした事に驚きを隠せない巳早。そんな彼をほっておいて人達は話を進める。

「じゃあお兄さん、俺に協力してよ。いい稼ぎになるように頼んであげるからさ」

「…頼む？誰に」

美少年の言葉にピクリと反応をする巳早。

「お兄さんの言う悪党？俺の仲間にだよ」

「協力って赤髪を城よりふさわしい場所に連れて行くっての？」

「まーね」

「赤髪が珍しいから狙ってんのか？」

「はあ？違うよ、まぁ目印になって助かるけどさ」

巳早の言葉を聞くと不愉快そうに目を顰める美少年。それでも少年は話を続けた。

「お兄さん白雪と知り合いなんでしょ？歓迎するよ」

「……嫌だね！赤髪は可愛気ねえし顔は良いのに無表情な奴いて気味わりいし何よりおまけに怖いナイトがいるんだっての」

「ナイトが守る姫はかっさらうのが定石だよ」