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「明日の夜会だが、舞曲で好きなものがあれば演奏させるが何かあるか?」
突然のラジの言葉にピタリと動きが止まる白雪。
「あ…私は…ここに来る前に練習をしてようやくなので、何か…四拍子のゆっくりした曲があれば…」
「練習?……!踊れなかったのか!?」
てっきり踊れるものだと思い込んでいたラジは白雪のその言葉にとても驚いていた。
「踊りといえば町のお祭りでくるくるまわってたくらいですね」
「そういうものか…ならば、この曲はどうか?」
ラジはどこからかヴァイオリンを取り出すとゆったりとした曲調の音楽を奏で始めた。
「ヴァ……ヴァイオリン!」
「?楽器ではない。曲だ」
初めて見た楽器に思わず声の出る白雪に頓珍漢な返しをしたラジ。
「ー白雪どのは夜会の翌日に帰るのだったな」
ラジは演奏しながら白雪に聞く。
「ーはい、帰ったらゼン王子にラジ王子の話ができます」
「わ 私の?」
少し驚いてラジは聞き返したが、白雪は真っ直ぐ前を向きニッコリと笑って言う。
「ラジ王子に負けないように、私もやってみます」
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はる(プロフ) - すごく面白いです!更新が楽しみですがオタクは待つのは得意な人種なので作者様の無理のないペースで頑張ってください! (2020年5月19日 7時) (レス) id: 2cc152cab9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あす | 作成日時:2019年2月13日 17時