少女の願い事【赤髪の白雪姫】 (ページ18)

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16個目 sideなしページ18

「ー良かった。この顔を覚えていて下さいましたか。ゼン殿下？」

「つまみ出せー！！！」

「ええ！？」

口を開いた瞬間、ゼンは大声でそう告げる。

「待っ…ゼン殿下、どうされ…」

慌ててミツヒデがそう言うがゼンにはその言葉が聞こえていない様だ。

「聞こえなかったのか、つまみ出せ」

「落ち着けよ…」

思わずミツヒデが小声でそう言うほどゼンの顔には凄みがあった。

「こいつはな！前に白雪を山で攫った男だ」

不穏なその言葉にオビとAはピクっと眉を動かす。

「攫った…あ！」

「ゼン殿下が捜しに行かれたあの時のですか」

「巳早と申します。お目通りが叶い光栄です。殿下。山賊と間違うなんて言われてこんな格好にされましたけど｣

巳早はこの中でもマイペースに話を進めようとする。

「お前だとわかっていたら昼寝してたわ。何の用だ。牢から出た挨拶か？」

「ー…白雪は元気ですか？聞けばこの城で働いてるとか」

しばらく無言が続き、先にゼンが口を開いた。

「…で？用件はなんだ」

無視…と小さな声で巳早は言ったがすぐに話を進める。

「ー申し上げる前に…白雪もここへ呼んで頂けますか」

「何？」

「殿下が今も白雪と親しいのでしたら聞く価値のある話かと。ー彼女の為にも」

巳早はたらりと一筋の汗を流す。そんな巳早を真剣な顔で見つめるゼン。

「…オビ、それからAも。隣の部屋に連れてきてくれ」

ゼンは2人にそう命じた。