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33個目 side白雪 ページ35

その後も特に何事も無く、私達は王都入りの日を迎えた。


「今日、王都入りか…」


私は髪を結ぶとオビの部屋へ向かった。部屋を覗くオビとAが居る。


「オビ!Aも!おはよう。入っていいですか」


「おはよ、お嬢さん。どーぞ」


「おはようございます、白雪さん」


「なんでAがここに居るの?」


「今日の動きの確認です。一応ですが」


「なるほどね。それにしても…」


私は2人の姿を上から下へと眺める。


「オビとA、雰囲気違って見えるね」


「おっそう?」


「そうでしょうか」


今日の2人の格好は全体的に暗めの色で、マントがそれぞれ左肩、右肩に付いていた。中に着ている服も2人並ぶとそれぞれ逆の位置にボタンが付いていることがよくわかる。
それぞれの服が並べると線対称になっていると言えばいいのかな。
それ以外で違う事と言えば、Aがズボンでは無くスカートだと言う事だろうか。それに髪も括っている。それにしてもAがこの色を着ているのは少し違和感を感じた。


「ほんとはこういうの動きにくいから嫌なんだけどさ、せめて暗い色にしてくれって頼んだんだよ、ミツヒデさんに」


「暗い色?」


「夜目立たないでしょ」


「私はオビさんの要望にほとんど合わせましたが、やはりスカートの方が動きやすいので木々さんに無理を言って変えていただきました」


「ああ、そういう…」


この2人の言い分を聞き納得する。確かにオビはいつも黒色の服を着ているがそういう事だったのか。Aもいつもスカートだし、馴染みのある形の方が動きやすいんだな…
私は2人の服を見ながらそんな事を考えていた。

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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時

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