第三話 信念 ページ6
沖田総司 目線
3日間 毎日毎日毎日 飽きずにAちゃんが来る
僕の羽織が解れてたから直したい と
別にそのくらい隊務に支障なんてでないのに
彼女は懲りずに僕の元に何度も訪れる 。
僕はとゆうと突っぱねて追い返すけれども
何処か楽しくて優越感も感じていた 。
『 彼女は 僕に夢中だ 』
と、 ただの勘違いでしかないのに
都合のいいように僕の脳内で簡潔に纏めれば
次はどうやって 追い返そうかなんて考えて部屋から出れば廊下で 左之さんとAちゃんが何やら話している かと思えば 左之さんがAちゃんの手を取りその手に口付けを落とした。
総司 「 何…… あれ …… 」
胸の中でどす黒いものが広がるのがわかった。
僕にこんな感情がある事に驚いてはいたけれども
これはきっと独占欲 だ 。
たった3日なのに 僕は彼女に… いや考えたくなんてない。絶対に違う
A 「 は、原田さん…南蛮人みたいにすごく男だ… 美男子に手に口付けされるとは… 」
総司 「 ふーん 、 キミ 左之さんに何したの? 色仕掛けとか? キミみたいな子 揶揄われてるだけに決まってるじゃない 何浮かれてるの 」
A 「 浮かれてなんかいないです…ただ 少しだけ 男の人って凄いなって思っただけです それに私に無事で帰ってきてくれることを願うしか出来ることはないんです今のところ…は… 」
総司 「 へぇ 。 君の事情なんてどうでもいいんだけれども 新選組にとって 厄介になるなら 僕が君を殺すって覚えているよね? 」
A 「 …ごめんなさい… でも、私だって譲れない事の一つや二つあります 自分の世界に帰れるまでは死にたくないです それに 新選組の人には死んで欲しくないんです 戦えない私には 祈りとか そんな事しか出来ないんです だからっ―― 」
総司 「 見返りが欲しいんじゃなくて? 」
僕は気付けば彼女の胸ぐらを掴んで
殺気を込めた目で彼女を見下ろした 。
最初こそ怯えていた彼女は 真っ直ぐに僕を見て
A 「 そう思わせてしまったならごめんなさい。でも私は 見返りとかそんなの要りません 此処に居る以上は 此処の人達の無事を祈りたいんです 周りに居る誰かを失うのはもう 嫌なんです。 未来にいた時は男の子も女の子も 大事な友達で仲間でした 私にだって信念は有ります 」
胸ぐらを掴む僕の手を 振りほどいて
着物を直し 決意のこもった目で見つめる彼女は
まるで 土方さんの様だった 。
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作者名:light stone | 作成日時:2018年1月4日 1時