第二話 小さな手 ページ5
原田左之助 目線
白鷺 Aを新選組で預かると決めてから
3日ほど経った頃にはもう Aは だいぶ打ち解けていて平隊士からは 人気が出ていた。
幹部の殆どとも打ち解けていたが 総司とだけは
どうも打ち解けれないらしく Aが毎日の様に
総司の部屋から追い返されその度に溜息をついてる様を俺は何度も目撃していた。
A 「 はぁ… 今日もダメか… 羽織解れてたから直して置いた方が良いのかと思ったのに… 」
原田 「 よお、A 今日も懲りずに総司の所か 」
A 「 土方さんが私を沖田さんの小姓として決めたのがよっぽど嫌だったんですかね… 見ず知らずのこの時代の人間じゃない私ですし… 」
原田 「 でも、何でそんなに総司に拘るんだ? 」
A 「 三日前に沖田さんの羽織が解れてたのを見かけたんです あのままじゃ隊務に響くかなあって思ったので声を掛けたんですけど 近付いたら殺すよ とか言われてしまって… それを平助に相談したら平助は懲りずに 突っ込め! って… 」
どうやら平助の言葉を鵜呑みにしちまって
三日間も懲りずに総司の部屋に突撃してその度に
追い返されてるらしい。
左之助 「 お前は 素直でいい子なんだが 平助の言葉は鵜呑みにしない方がいいぜ?大方 冗談で言ったんだろうしな 」
A 「 そうなんですか!? … 平助め… 」
左之助 「 それに そのうち打ち解けんだろ ゆっくりでいいと思うぜ 」
俺はAの頭を一撫でして " 巡察に行ってくる "
そう告げてその場を去ろうとした、
すると突然 Aは 俺の手を握り
A 「 どうか…ご無事で… 」
願いを込めるように小さな手で俺の手を握った
この行為に意味が無くとも男ならば勘違いしてしまうだろう と頭の端で思いながらも
未来にいた時は 男子には人気は無かった と話してくれた言葉もよぎった。
左之助 「 安心しろ お前みたいな女に 願われちゃ 死んでなんか居られねぇし な 」
A 「 私みたいな…!? あ、もしかして 迷惑でした!? うわああ! 癖が抜けねぇ!! 」
願いを込めた時の女らしい表情とは打って変わって
雄叫びの様な声を上げて頭を抱えるA 。
くるくる表情が変わって見ていて飽きないな
左之助 「 そうじゃねぇよ 、 奥さんに見送られるみたいで悪い気もしねぇし な 」
そう告げ Aの小さな手に口付けを落とせば
タコの様に真っ赤に顔を染める
そんなAに構わず俺は巡察へと出掛けた。
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作者名:light stone | 作成日時:2018年1月4日 1時