私の理想の高校生活【歌い手】

理想の26話 ページ28

私が言った質問に顔を見合わせる先輩たち。


実は理由なんてなかったり？


う「理由かー。」


さ「理由…。」


あ、まじですか？


理由ない感じのやつですか？


『理由がないならいいじゃないですか。

私のこと知る必要ないですよね。』


このくらい言っとけば諦めるでしょ。


今ものすごく辛い空気だ。


一刻も早く逃げ出したい…。


う「そうだなぁ。俺はAちゃんのことが知りたいから、かな？」


と笑みを浮かべながら言う。


なんで私のこと知りたいんですか！

あ、もしかして佳奈のことはもう知り尽くしちゃってるから


たまたまいた私のことを知り尽くすぞ的なやつですか！！


今すぐやめていただきたい(切実)


さ「俺は…うらさんと一緒かな！」


あなたもですか！！


ああ、でも坂田先輩はとっても純粋な笑顔に見える…。

なんだろうこの違い。


『はぁ…。そうですか、でも教えませんよ。』


ため息をつき呆れたように断る。


あなたがたがなんと言おうと私は動じない！！


『それでは…』


う「待ってよ」


家に帰ろうとすると引き留められた。


早 く 諦 め ろ や


う「答えないと帰らせない、って言ったらどうする？」


『無理にでも逃げ出しますね。』


さ「男二人いるのに？それに年上。」


うっ、と息詰まる私を見てニヤニヤと笑う先輩たち。


私が諦めなきゃいけないのこれ…。


いやでも…うーん…。


あ、嘘つくとか！

それがいいじゃないか！


『わかりました。話せばいいんでしょ？』


嘘話を心の中で考えつつ、その言葉を言い放った。

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