私の理想の高校生活【歌い手】

理想の9話 ページ11

くるっと回って教室を出ようとする。


すると腕を捕まれる。


がしっ！って感じに。


そ「ちょっと待てよ。」


今完全に私の顔青ざめてるよ。冷や汗やばいよ。

その手を離せえええ！！！


『なんですか。』


冷たくすれば諦めるはず。

いや、諦めてくれさい！


そ「なんで来たの。」


『佳奈に誘われたから。』


即答するとそらる先輩(仮)は

そ。と言って腕から手を離した。


興味ないなら聞くなよ！


『…。』


もうこうなったらとことん印象悪くしてやろう。


無言で出てってやる。


佳奈が

「えっちょっとまってよAちゃん！」

って言ってるけどごめん無視するね。


教室を出て下駄箱に行く道に戻ろうと曲がる。



すると…



どんっ！！！！



と漫画みたいに音を立てて転んだ。


なんで私なのおおおおおお！


『あ、すみません。』


きっとここにいるってことは音楽室に向かうんだろう。

とっさの状況判断で一言謝って通り過ぎようとする。


「ぶつかっておいてその態度かぁ。」


と腕を捕まれた。


え？デジャヴなんですけど。え？


回避不可ですか？はやく帰りたいんですけど？


『…。』


取りあえず無言を決め込む。


流石に男の人には勝てないからね。


腕振り払っても手を離れないと思う。


「くく、面白いね。」


ふぉ！？どこに笑う要素あったんすか！

めっちゃ疑問！


「オレ浦田陸。うらたって呼んでよ。」


わかりましたもう会わないんで呼ばなくていいですね！


『そうですか。では。』


……。


動けねぇ！

まだ腕つかんでたのかよ！


う「はいだめー。音楽室の方から逃げてきたっぽいし。

もう一度行くよ。」


せっかく逃げ切れたのにこの仕打ち！

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