MISSING TWINs Ⅲ (ページ4)

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ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅡ ページ4

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その後、絶対に大我くんには見せる事のない部分を見せられる私は、心の底から思わざるをえなかった。

ー大我くん、逃げて！本気で超逃げて！！ー

まさか自分から逃げて欲しいと全身全霊で願う日が来るとは思いもよらなかった。
けれど、ニコニコと悪意の欠片もない笑顔で近寄って来る女を叩きのめし、無邪気に言葉を操って恐怖を植えつけていくその姿は、控えめに言っても悪魔。

「芹、この間一緒に居た子は？」

「他の友達と約束あるんだってー」

「ふーん」

「あのこ気になるの？」

「ううん。あの手のタイプ苦手だから、また会うのかなって思って…」

「大我が嫌なら会わないよ」

「本当？」

「本当！大我が嫌がる事したくないもの！」

心底嬉しそうに顔を綻ばせた姿を見て思う。
このまま進んではいけない。
本能からの警報に、眉間に勝手に皺が寄った。

ーこれって…依存。なんじゃないの？ー

影は相変わらず答えなどくれない。
大我くんも、私も互いに依存している。
所謂“共依存”。
良い方向にいくとは限らない未来に、肌に刺さるような危機感が強くなる。

ー何とかしなくちゃ…ー

握る拳に力を込めての意思表明。

ーあれ？私、ずっとそんな事考えてた…ー

夢のような結末が訪れないように、大我くんとあの世界の私を引き離そうとしていた。
最後に大我くんが決めたのはお兄ちゃんで、お兄ちゃんは大我くんを拒否した。
それであの結末は回避されたのだろうか。
あの酷い夢は、あそこの未来ではなかったのではないか？
浮上する疑問に背筋が凍る。

ーもし…ここがそうなら、私は何も…何も出来ない…ー

触れる事も、話す事も出来ない。
私の姿は誰にも見えない。
完全に孤独となった私は、もう誰かのためになど生きられないのだと嘆くしかなかった。