MISSING TWINs Ⅲ (ページ2)

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同棲を始めて２年。
見事に同じ大学に合格し、それぞれ希望の学部にて有意義なキャンパスライフを満喫していた。
例え朝の講義を取っていなくとも、離れる時間が惜しいのか一緒になって講義受ける大我くんに苦笑い。
顔が見えなくなると置いて逝かれてしまう…そうトラウマになっているのは火を見るより明らかで、私はそれを咎める事が出来ずにいる。

「ランチはどこで食べようか…芹のお弁当あるから、近くの公園とかどう？」

「木陰でプチピクニックはアリだねー」

クロスした腕に頭を乗せたまま、私に笑顔を向けて小声で囁く。
それに小さく返答すると、満足がいったのかそのまま静かになる。
ノートを取るのに集中してしまい、講義の終了の合図とともに隣を見遣れば、ぐっすりとご就寝の無垢な寝顔が。

「大我ー講義終わったよー。起きてー」

「んー…」

「次講義あるでしょ？ほら、おーきてー」

「…してくれたら起きる…」

うすらと片目を開いて、こんな所でする事じゃない要求をした大我くんを軽くどつき、先にその場を後にすれば慌てて後を追いかけてきた。

「芹！ごめんって」

「バカなこと言う大我なんて知りませんー」

「大学では言わない！」

「ほんとに？」

「本当に！」

「約束？」

「約束する」

「嘘ついたら？」

「…」

「嘘ついたら３日間シカトします」

「イヤです」

「じゃあ家以外では？」

「絶対に言いません！」

「よろしい！」

じゃれあいの延長のやりとりを終え、２人で吹き出してしまった。
お昼の待ち合わせ場所を決め、大我くんは自分の講義へと足を運んだ。
話しながら私を送り届けてくれたり、昼時や帰りに迎えに来てくれるのもとてもスマートに熟してくれるものだから、中高の頃ほどではないがひっそりとモテている。
元々顔立ちが整っているのだから仕方のない事でもあるけれど、正直、私なら不安で仕方がない。
けれど、ここの私は強い。
昔から、まっすぐに強い。