MISSING TWINs (ページ7)

今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:39,392 hit

Ⅵ ページ7

「77番、武藤大我です！よろしくお願いします！」

ダンス、歌唱力、実績もあれから積んだし、自信を持ってオーディションに挑んだ。
一次選考、二次選考と順調に残り、最終選考後、私はJr.としての活動を開始した。

先輩達のバックで踊り、時折音楽番組にJr.として招待を受け、雑誌に少クラの撮影、今まで繋げてきた人脈も手伝って仕事は通常のJr.の倍以上。
勉強は余裕だし、習い事は全て辞めた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

待ちに待ったその時が来るのに、そわそわと逸る気持ちが収まらない。
髪型変じゃないかな？
服装はいつも通り気を抜いてないし、１つ気がかりなのは、顔だけ。

これは、私の顔じゃない。

「はぁ…」

「大我、時間でしょ？」

「うん、今行く」

母の運転する車から空を見上げる。
重い曇天に自分の気持ちを重ねて、また小さくため息。
事務所に着いたら丁度KAT-TUNの皆さんが出ていくところで、慌ててペコリと頭を下げて道を譲った。

「お疲れ様です！」

「おっ、芹じゃん。お前頑張ってんなー」

「今度光一くんの舞台に呼ばれたんだって？」

「ありがとうございます！僕で本当に務まるのか不安です」

「大丈夫だよ。芹くんどっかの誰かよりダンスも歌も上手いし」

「おい。そのどっかの誰かは俺の事か？」

「さすが中丸、分かってんじゃん！」

「僕中丸くん大好きです！」

「ありがとなー！芹はいい子だなー！！どっかの誰かさん達みたいにへそ曲がりになるなよ！」

「それ俺らの事かよ！？」

聖くんに折角整えた髪型が崩れるほどに頭を撫でられ、田口くん、亀梨くん、中丸くん、赤西くんと順に撫でられ、最後に上田くんが髪型を整えてくれた。
貴方達も６人でずっと居られたらなぁ。
事務所に入って遠かった人達との距離が近づく度、自分に何か出来ないだろうかと烏滸がましい欲望が湧く。
人の感情を動かすのは難しいと自分が一番わかっているのに。