�将将将� ページ41
久しぶりのJr.としての仕事は、コンサートのリハーサル。
皆に会える喜びと、片手で収まる程度にしか他のJr.と合わせていない不安が入り交じる。
「おはようございます…」
「お、芹、久しぶりー」
「優吾！久しぶりー！」
なんとも煮え切らない声での挨拶にも触れず、優吾くんは「倒れてない？」と心配してくれた。
「そんなしょっちゅう倒れません」
「そんなしょっちゅう倒れてるんですがねー？」
「…気のせいにしてくれません？」
「出来る訳無いだろ」
背後からガッチリと肩を掴まれ、擬音をつけるならギリギリ以外に思い当たらない力が込められている。
正直、痛い！
「いだだだっ！大我！痛い！」
「こっち向いて！……ん、今日は無理してなさそ」
「いつもしてないんだけど…」
「は？」
「いや、ナンデモナイデス」
正面から満足行くまで検分され、返した言葉には真顔で「は？」とか、役が抜けきってませんよ。大我くん。
しかし悲しいかな。
怖いとかよりカッコいいが先に来てしまう。
「芹ーーー！！」
「慎太郎おひさー」
「めっちゃ久しぶり！元気！？倒れてない！？」
「皆して俺の事何だと思ってんの？」
「すぐ無理する」
「虚弱」
「頑張り屋」
「ミステリアス」
「群れてるつもりの一匹狼」
「スーパーマン」
「心配しても響かない」
「大人びてる」
「自由人」
「うそつき」
リハーサル会場の全てのJr.が聞き耳たてていたんじゃないかと言う程にあちこちからそんな声が上がる。
思わずぱちくりと目を瞬かせて、ちょくちょく誉めてる意見がある事に笑ってしまった。
「なんだよ。皆して俺の事好き過ぎかよ」
「散々無理してぶっ倒れてたヤツが何か言ってますー」
「つーか大我、うそつきってなんだよ？」
「体調悪いなら言えって言ったのに“うそつき”」
「本心見えないから“ミステリアス”」
「俺はいつでも本心ですが？北斗さん」
「ほらまた嘘ついた」
「大我…」
「皆の輪の中で笑ってるクセに一歩引いてる気がするから“群れてるつもりの一匹狼”」
「雄也、それ酷くね？そんなつもり無いって」
「演技も歌もダンスも勉強もスポーツも出来る“スーパーマン”！」
「慎太郎サンキュウ。めっちゃ嬉しい♪」
「何度も倒れてるから“虚弱”」
「ごめんって優吾。最近は倒れてないから！」
「通し始めるぞ！」
「はい！」
振付け師の一声で、会場の空気はピリリと引き締まった。
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佐藤龍我のぶりぶりざ○もん
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作者名：Fin. | 作成日時：2019年3月28日 1時
