貴方が私の光であり続ける限り (ページ7)

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天side

天「陸、退院おめでとう」

僕がニコッと笑うと陸は満面の笑みで「うん！」と元気に返事した。
陸の笑顔で不安が吹き飛んだ

最近、Aの様子がおかしいのだ
何かを隠しているのを感じるがそれが何なのか分からなかった
きっと僕達が見舞いに来た時にでも話してくれるだろう、そんな悪いことを隠しているわけじゃないと考えすぎだと思い待つことにした

もっと気にかけていれば

そしたら忽然と君は居なくならなかった？

…。
病院の入口に両親が車を停めて陸を乗せた。僕はキョロキョロとAを探していると慌てる看護師を連れ息を切らした彼女が走ってきた。

「これっ…間に合ってよかった」

彼女がそういって綺麗な手から渡してきたのは猫のストラップだった。
不格好だが赤い猫と白い猫の2つだ。瞳は赤い猫は陸と同じ瞳、白い猫は僕と同じ瞳をしている。

「二人と同じ配色にしてみたの。あんまり器用じゃないから変だけど」

苦笑いするAに僕は車に乗った陸に窓を開けてもらい彼に赤い猫の方を渡して彼女が作ったのだと告げる

天/陸「「Aありがとう！」」

と礼を言う。彼女はここ一週間の僕の不安を打ち消すかのようないい笑顔を見せる。
車に乗り僕は陸と一緒に開けた窓なら彼女に手を振る。

陸「見舞いにいくからね！」

「うん」

天「僕らは友達だよ」

「うん…
これだけは忘れないで私は二人のこと大好きだよ。これから辛いことあると思うけど頑張ってね」

まるで最後の別れの言葉のような台詞を口に出す彼女は今にも泣き出しそうな顔をしている。車が走り出そうとする瞬間、

天「約束して、また会えるって！」

「……っ……会えるよ…会えるよ…」

車は走り出し僕と陸は彼女が見えなくなるまで手を振った。

そして

見てしまった

小さくなる君が泣き出し崩れる姿

看護師さんに支えられているのを

陸が不安そうに僕の顔を見るので安心させるように「大丈夫だよ」と抱きしめた。

だが僕は嫌な予感は的中した。

次の日、僕1人だけで彼女を訪ねるが

君の姿はその病院には無かった。