某死神顔負けの演技 ページ3
"おら！はやくしろぉ！！"
"ひぃ、すみません！！今はこれしか…"
そんな会話が聞こえてくる。
強盗に遭遇してからもう数十分経った。
一応110番にはかけた。スピーカーにして強盗の声を聞かせて、簡単に住所行った。
のに、まだ来ない。ここは交番からも遠いってのもあるかもだけど、遅い。
「あの、トイレ…」
「あ"あん？なんだガキ。逃げようってんじゃねぇだろうな？あ？」
ボクは近くにいた強盗さんのお仲間さんに声をかける。
強盗は全員で3人。その内2人が銃持ち。1人はナイフ。多分、警察が来た時人質を取るんだろうな。
「おい、俺が便所付き添うよ。変われ。」
「チッ、勝手にしろ。」
ナイフ持ちの人が付き添ってくれるらしい。
一回言っただけで言うこと聞くとか、仲良し？
「ほら、何してんの？行くよ。」
「あ、はーい。」
ボクは子供という事もあり、手を引かれるだけで済んでます。
これが大人だったら、ゾッとするね。
「ほらここで待ってる。変な真似するなよ？」
わざとナイフを見せびらかして脅してくる。
怖くないけど。
個室に入って どうするか考える。
ボクの個性は血を吸わなきゃ使えない。
でも筆箱に小さいハサミあるし、なんだったらあの人から奪えば良い。
でも問題は。
(個性まで吸ったら短期決戦しなきゃだよなぁ。どんな個性かもわからない今はまだとっておく？)
便器の上に座って考える。難しい。やめよう。
「おい！いつまで入ってる！出てこい！」
「はーい、ごめんなさい。」
トビラを開けたらナイフを持った人が怒りながら立ってた。そして、ボクに突き付けてくる。
イラッ
「どうだ？怖いだろ？なぁ。泣けよ、泣き叫べよ。そしたら俺が個性で搾り取ってやるからよ？」
「ぅ、こわ、いで、す。」
搾り取る？吸収とか？摂取系？
「あ、の！お兄さんのカッコいい個性教えて下さい！」
「ん、カッコイイ個性？あー、俺は回収ってんだ。指定した物を文字通り回収出来る！どうだ！カッコいいか？」
「うん！すっごくカッコイイ！惚れる！」
うっわー、子供に褒められただけでデレデレになってる。キモい。お姉ちゃん助けて。
「実際に見せて？見せてほしいな！」
「よっしゃ！任せろ！」
そういうとお兄さんは回収！っと声を出して
洗面台の石鹸を回収した。なるほど、何かには使えそう。
「わぁー、すごーい！カッコいい！便利！」
ボクに褒められてすっかり有天頂になったお兄さんは回収した石鹸で手を滑らせてナイフをおとした。
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作者名：Noa | 作成日時：2019年4月8日 6時
