学級委員長って、いつの間に ページ16
「僕は、飯田くんに譲りたいと思います！」
『はぁぁぁあ！？』
この騒ぎの原因はつい数分前に遡る。
『じゃあ、授業を開始する。』
『その前に先生、僕から、いいですか？』
『手短にな。』
こんなやり取りがあって、教卓の前に立った緑谷くんは、先ほどの爆弾発言を落としたってワケだ。
みんなは「まあ、委員長が言うならいんじゃね？」って言って、妙に納得してる。いや委員長って何。そんなのいつ決めたの。はあ？もしかしてハブられた？天下の雄英がイジメ？よし、週刊誌にタレこんでやるっ！！
「先生、どうでしょうか？」
緑谷くんがおずおずと相澤先生に聞く。その様子をみんなはじっと見つめていた。
「まあ、お前たちが決めたならそれで良いよ。」
その言葉を認知してからはみんなまた騒ぎ出した。
非常口飯田！とかなんとか。いや非常口飯田とか、ネーミングセンス抜群かよ。思わず教科書で隠しながら食べてたポッキー吹き出すところだった。
ちなみに席はイジメかと思うほど後ろ。窓側一番奥。ある意味有難いけど、やっぱり隣が居ないのは寂しい。
誰だよA組だけ21名にした奴、恨むぞ。22名にしろよ。寂しいだろ。くそが。
そんなこんなで普通の授業が再開された。
そして帰り。
芦戸ちゃんとお茶子ちゃんが一緒に帰ろうと言ってきた。
お茶子ちゃんは大歓迎だよ！
芦戸ちゃんは、なんとなく苦手かな。
だって人のプライベートにズカズカ入り込んで来るんだもん。お姉ちゃんが言ってた。人の嫌がることはしちゃダメって。
でもイヤだって言ったらお友達辞められちゃうから言わない。口は災いの元、って言葉あるし。
「それでさー、あ、Aは？どう思う？ね！どう思う？」
「え、あーうん、イイトオモウ。」
「絶対聞いてなかったでしょ！」
「Aちゃん、大丈夫？気分悪いなら、ウチがおぶろっか？」
仲良く話す二人に並んでお姉ちゃんの事を考えていたらいきなり話しかけられて、テキトーに流したらお茶子ちゃんに心配された。
え、うそ心配？してくれてる、感動で泣きそう。もうお嫁に来て。
「ううん、大丈夫、ちょっとぼーっとしてた。ごめんね？で何の話だっけ？」
「やっぱ聞いてなかったー！Ａ組男子で誰がイイか話してたんだよー！」
「そそ、やっぱ轟くんかなー、って、ほら！クールだし？イケメンやん！」
何の話か聞いたボクが馬鹿でした。
女子名物気になる男子リサーチ。
恋バナのように見せかけてライバルを炙る恐ろしい罠だよ怖いね!
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作者名：Noa | 作成日時：2019年4月8日 6時
