東雲の空2【文豪ストレイドッグス】

招かざる客 ページ16

谷崎side

太宰さんと敦君と話していたら、窓が破れて黒い影が転がり込んで来た。
其れは、小柄な少女と黒い、大きな鷹だった。

谷「な…」

敦「え…」

太「二人とも下がって！」

少女と鷹は、激しく縺れ合い乍ら、社屋を転がっていく。

一瞬見えたあの顔……

あれは……

ナ「Aちゃん？」

少女が此方を見た。

緑の光を秘めた瞳と、視線が交差する。

一瞬だった。

其の一瞬の隙を突かれ、少女の腹が鷹の爪で裂かれた。

元からボロボロで、あちこちでかなりの血液を出血していた為か、直ぐに動かなくなった。

ナ「ひっ……」

鷹がナオミを睨んだ。
次の獲物をナオミと定めたのか、行成飛びかかる。
僕はナオミを庇った。

目を閉じ、痛みを覚悟した。


……痛みが来ない。
嬉しい限りではあるが、何故だろう。

鷹を見ると、
喉から刃が突き出ていた。

突き刺していたのは、









Aによく似た姿の少女だった。

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