10 請願 ページ11
nonside
立「首領、立原です。
這入ります」
ガチャ、とフレンチドアを開けた立原。
其処に広がっていた光景は…
森「エリスちゃーん、お願いだから着てよー」
半泣きの中年と、
エ「リンタロウ、気持ち悪い!」
辛辣な幼女がいた。
サァ、如何する立原。←
立「首領、」
森「嗚呼、立原君。
ほら、エリスちゃん、少し下がってくれないかい?」
エ「うん、リンタロウが気持ち悪かったから丁度よかった」
森「酷い!
でも可愛いから許す!」
何なのだ此のコント。←
エリスはリンタロウこと森鴎外の指示通り、奥へ下がった。
森「珍しいねぇ、君から此処に来るなんて。
用件は?」
先程迄、幼女にディスられて居た時とは打って変わり、薄ら笑いを浮かべた首領らしい表情を見せている。
立「大変言いづらい事なのですが、遊撃隊隊長、芥川龍之介と、黒蜥蜴百人長の広津柳浪が、最近かなりの頻度で中原幹部の邸宅へ招かれて居ます」
森「其れは知っているのだけれど、何故其れを?」
立「二人は邸宅へ招かれる度に、互いの惚気と恋の相談を受けるそうです」
森「成程?」
立「寧ろその為に招かれているのです。
然も、決して報われない恋の相談であり、二人は毎度憔悴して居るので、首領に助力を仰ぎに来た次第です」
森「立原君、君の上司を思う気持ちは解った。
お疲れ様。
下がり給え」
此の後、中原幹部とその補佐には半年間の遠征が言い渡されたという。
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作者名:夜叉の子 | 作成日時:2017年10月2日 23時