59.略奪 ページ9
何かがプツンと切れる音がして
二度と触れないと誓ったAの腕を引いてAの靴を持ったまま飛び出していた…
走って走って細い路地に入った…
A「スニョンくん!?…はぁ…っ!!……痛い…はぁ…っ!!……」
SN「あっ!!…はぁ…っA…はぁ…ごめん…はぁ…ごめん…」
座らせて足を拭いて靴を履かせた…
Aは何も言わない…
SN「A…ごめん、ほんとに…」
A「スニョンくん…私とスニョンくんは……友達なの？」
SN「……っ違う。俺たちは…」
A「俺たちは？……」
SN「……俺の片思いだったんだ…Aが好き。今でも変わらないよ…」
A「スニョンくん…私はスニョンくんを好きだった？」
SN「……ごめん……帰ろう…」
Aの手が俺の腕を掴んで
A「泣かないで…」
って言った…
泣いてる？俺が？…
Aは頬に流れる涙を親指で拭って
A「ひとりで泣かないで…」
そう言った
Aの真っ直ぐな目がプツンと切れた何かを元に戻す様に優しい温もりをくれる
抱きしめたいけど出来なくて
触れる事が怖くてただ泣く俺を
Aは何も言わずに涙を拭ってくれる
俺の携帯がさっきから震えている
3人から沢山電話がかかってる
SN『ヨボセヨ……』
WN『何処にいる!?答えろっ!!』
SN『すまない…帰るから…』
WN『いいから何処にいるか答えろ!!』
SN『…連れて帰るからっ…ごめん…』
WN『ふざけんなよっ!!今すぐAを返せっ!!』
Aが携帯を奪って
A『オッパ？大丈夫だから、ちょっとだけスニョンくんと話をさせてっ。ちゃんと帰るから。お願い』
WN『……分かった…俺…Aを信じてるから…』
A『ありがとう』
ウォヌが何を言ったかは俺には分からないけど
Aは電話を切ってこう言った
A「スニョンくん。海行かない？」
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作者名：ぽけ | 作成日時：2021年9月16日 15時
