517.漠然とした不安 ページ17
カートを引いて歩く
スニョンの目が少し赤いのも気がついていた
オンマと何話したの?
何隠してるの?
いつものAは知らなくていいってやつ?
なんにも言ってくれないんだね…
…なんか寂しいんだけどな
俯いて歩いていたら頭上から優しい声が降り注いだ
SN「どした?」
今何か言ったら泣いてしまいそうで
首を横に振った
スニョンは立ち止まって握った手を引いた
ぎゅっ
暖かいぬくもりに包まれて更に泣きそうになる
SN「A…大好き」
A「……ん」
SN「どした?泣いてるの?」
A「……ないっ…」
SN「ん?」
A「…泣いてないっ」
SN「……そか。ならいい」
スニョン…
あたし…スニョンが大好きだよ…
もぅスニョンがいないと多分ちゃんと歩けないくらい大好きだよ…
どこにも行かないよね?
あたしのそばからいなくならないよね?
あの日の虎さんとの会話を思い出していた…
"今を大切にしなさい。何があっても信じていられるように"
"あぁ。人生は何があるか分からない"
"だが…もしそうなった時お嬢さんがどうするかで未来は変わる。ふたりが共に歩む未来を祈ってるよ"
今更ながらとても大切な会話だったんじゃないかと思った
でも虎さんは言った
"死んだりはしない"と…
ならばスニョンに何か起こるのか
その時あたし次第で未来は変わる?
そんな大事なこと…あたし無理だよ…
漠然とした不安はずっと拭えない
目が赤くなるほど泣いてオンマと話す事って何?
聞きたい…
でも聞けない…いや、聞きたくないのかもしれない…
多分今は現実を受止める勇気が無い…
何か分からないけど凄く怖いから…
SN「Aっ♡笑って♡」ニコッ
抱きしめられていた身体はぬくもりを失って
両肩に手を置いたスニョンが目線を合わせて屈んで言った
SN「A。夏休み、旅行行こうな♡」ニコッ
A「……えっ?」
SN「許可もらった」ニコッ
A「…いつ?」
SN「朝」
A「旅行の話してたの?」
SN「色んな話したよ…。Aが大好きって話とかAがめちゃくちゃ可愛いって話とかAがいないとダメな話とか」ニコッ
A「…何それ……もぅ…心配したんだからね…((ボソッ…」
SN「……ごめん、ありがとう」ぎゅっ
スニョンのぬくもりにまた触れた
やっぱり落ち着く
あたし…このぬくもりが無いと無理だよ…
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作者名:ぽけ | 作成日時:2022年4月12日 13時