370.ビタミン ページ20
SN「……ぉいっ！A??…Aっ!!」
A「……っへ!?」
SN「何ぼーっとしてんだよ？」
A「あ、いや。別に…」
SN「移動教室だけど…行かないのか？」
A「…あぁ」
SN「……サボる？」ﾆｺｯ
A「えっ!?…っ!!ちょっと!!スニョン!?」
手を引かれて階段をあがり屋上に出た
秋の気配が心地よくて
更に高い場所へスニョンはあたしを連れて行く
A「え…スニョン…大丈夫なの？」
SN「平気だよ。おいでっ」
手を伸ばせば直ぐにその手は握られ引かれる
A「わぁぁぁ……凄い…」
SN「最高だろっ」ﾆｺｯ
A「うんっ！」ﾆｺｯ
スニョンは寝転がって隣をトントン叩いた
あたしもスニョンの横に寝そべって真っ直ぐ空を見つめた
秋の空は高くてうろこ雲が可愛くて大好き
SN「A…。こんな風にサボってふたりで空眺めたり、手を繋いで走ったり、ハグしたり…？ㅋㅋ…出来なくなってもA平気？」
A「…どういう意味？」
SN「深い意味は無い…ただ、高校離れたらそうなるだろ……」
A「あぁ…。スニョンが隣に居ないなんて想像付かないけど…平気にならないとダメだよね…。いつも一緒には居られない時が来るんだよね…」
SN「泣かない？」
A「ん〜。泣くかも…ふふっ」
SN「笑ってんじゃん…」
A「ふふっ。でも凄く寂しいと思う。スニョンはあたしのビタミンみたいな存在だから…」
SN「ビタミン？」
A「うん。元気になれる。スニョンと居たら楽しいし、安心するし、パワー貰える」
SN「ビタミン…なんか嬉しいかも…」
A「…??ねぇ、なに？どうしたのよ」
SN「俺、Aが大好き。多分この先もずっと好きだと思う。もし俺がAの隣に居られなくなっても俺の好きはAのものだから。約束する」
A「スニョン…」
SN「A｡返事は要らない。俺Aの彼氏になりたいって言っただろ？」
A「うん…」
SN「やっぱいい。彼氏だと別れたら終わっちゃう…嫌だ。Aがそばにいない人生は嫌」
A「スニョン…」
握った手に力が込められてスニョンの言葉が染みていく…
あたしもスニョンのいない人生は嫌
隣に居られなくなっても俺の好きはAのもの…
隣に居られなくなっても…
この間もそんな事言ってたよね…
何故か胸がザワザワした…
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作者名：ぽけ | 作成日時：2022年2月25日 11時
