265.溢れる涙 ページ15
ジスさんはハンバーガーをドライブスルーで買って車を走らせる
ポテトをジスさんの口に運ぶと嬉しそうに食べた
不覚にも可愛いと思ってしまった…
車は海岸線を走り夏の太陽の光を浴びた水面はキラキラ輝いていた
A「凄く綺麗…」
JS「ふふっ。A海好き？」
A「…見るのは好きかな」
JS「入るのは嫌いなの？」
A「ん〜。あんまり好きじゃない…」
JS「へ〜。」
A「変かなぁ？」
JS「ふふっ。変じゃないよ」
海岸線沿いの小さな海水浴場の駐車場に停めた車から
海を眺めていた
この夏は色々あり過ぎて自分も訳分かんなくて
当たり前に毎日一緒にいたスニョンさえ
今は隣にいない…
あの告白も何かの間違いだったのかもしれない…
大好きで愛おしくて堪らなかったジョンハンくんもあの日から1度も連絡が無い…
嫌われた…
あたしは結局皆に迷惑をかけて心配をかけて振り回しただけ…
キラキラ輝く水面が眩しくて…
目をつぶって俯いた…
JS「A…どした？」
A「…なんでもない…」
JS「…スニョンとは話したのか？」
A「えっ？…スニョン？」
JS「好きだって言われたんだろ？」
A「…何で？」
JS「スニョンが皆の前でAに告白したって言ったから」
A「…そう…だったんだ…」
JS「で？Aはどう思った？」
A「…スニョンは毎日一緒にいて当たり前に横にいて…誰かを好きなのは知ってたけど…まさかあたしだとは思って無くて…びっくりして…」
JS「…ん」
A「…嬉しかった。素直に嬉しかった…」
JS「それは…好きって事？」
A「…好きだけど…」
JS「好きだけど…ジョンハナとは違う好き？」
A「えっ!?…」
JS「ふふっ。ジョンハナの事、好きなんだろ？」
A「…ジスさん…やっぱり揶揄ってますよね…？」
JS「至って本気だけど…」
A「…。ぐちゃぐちゃで…よく分からなくて…」
頑張って堪えていた涙がダムが決壊したように零れ落ちる…
自分がどうしたいのか…
何をしたらいいのか分からない…
今の自分が大嫌いで…
JS「A…」
引き寄せられてジスさんの腕の中で沢山泣いた
ジスさんはあたしが泣き止むまで優しく背中を摩ってくれた
何も言わずに何も聞かずに…
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作者名：ぽけ | 作成日時：2022年1月17日 11時
