180.忠犬ハチ公 SNside ページ30
SNside
Aが帰ってきてごめんて謝る…
俺が勝手に心配しただけだから謝る必要なんて無いんだけど…
8年間ずっと心配だらけのAは
俺の中では当たり前の事で
帰りが遅いとか
何かあったんじゃないかとか
連絡が付かないとか
まさかの事故に遭ったんじゃないかとか
まぁそういうのはいつもの事で…
今日の心配はそこじゃなかったから
必要以上に心配し過ぎたっていうか…
アイツとふたりで何してんだよって…
デートって…
好き同士でデートって…
Aはいいのか？
ほんとにそれでいいのか？
彼女が居るアイツとデートなんて
辛くならないのか？
苦しくないのか？
アイツはどんな気持ちでAと過ごしたんだ？
好きな人を前に隠し通せたのか？
向かい合って両手を繋いだふたりを見つけた時
気持ちが通じ合ったんじゃないかと思った位
ふたりは幸せそうだった
それが嫌で断ち切りたくて
えんがちょんしたら
Aに怒られちゃった…
謝りたくて待ってたんだ…
本当は無理やり手を引いて帰りたかった
でも…出来なくて…待つしかなくて…
「おかえり…」
忠犬ハチ公の如くじっと待つ俺って…健気過ぎ…
Aが先に謝るから連絡はしてとか言ってカッコつけて…
謝れなかった…ごめんな…
今日一日がどうだったのか聞きたくて知りたくて…
切なかったって…。
Aにとっては幸せだけじゃなかったんだと思うと
心が大丈夫なのか心配になった
俺のくだらない心配なんかよりもAの切なくなった心が壊れてしまわないか
そっちの方が…
それとジョンハンのお兄さん？てのも気になる…
ソファーに座ったAがお茶を飲んで
しばらくしたら
頭がコクリコクリって舟漕いでて
グラスをそっと取った俺はAを抱いて
部屋へ運んだ
相変わらず軽いんだよな…
ベッドの脇に座って
Aの寝顔を見てたら
叶わない恋をしてるAも俺と同じなんだと思うと堪らなくて
髪を撫でて手を握って…
A「…ジョンハンくん…」
Aが寝言でアイツの名を呼ぶ…
こんなに切なくて悔しくて泣きたくなるのは
俺だけで十分だよって…思った…
.
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作者名：ぽけ | 作成日時：2021年10月31日 6時
