151.ペアマグ ページ1
モール内を歩いて色々見るけど気もそぞろ
雑貨屋さんに入った
ジョンハンくんはペアのマグカップを手に取って
「これ買う」って。
彼女さんとペアのマグカップ…
パステルカラーの水色とピンクの少し大きめのマグカップ…
あたしが居ない時に買って欲しかったな…
嫉妬でどうにかなりそう
どうしよう…泣きそう…
理解してるつもりだけど辛いな…
今にも零れそうで「トイレ行ってくる」って告げて離れた
ポロポロ零れ落ちる涙を拭いながら駆け込んだ
オンマ…帰りたいよ…
大好きな人と一緒に居るのに
そばにいたいのに…帰りたいよ…
ひとしきり泣いて出たら
ジョンハンくんが心配そうに手招きしてる
JH「A…？何かあったの？」
A「…ないよ」
JH「嘘だ。…泣いたの？」
A「えっ!?…」
JH「なんで泣いたの？…俺…なんかしたかなぁ…」
ブンブン首を横に振った
JH「A…何考えてる？」
A「何も無いよ…何も考えてないから…」
JH「A…」
A「買った？気に入ってくれるといいねっ」
JH「…気に入らなかった？」
A「…ん？えっ？」
JH「A…気に入らなかった？」
A「えっ…あ、あたし!?」
JH「他に誰がいるの？気に入らないなら返して来る…」
A「えっ!?待って待って…あの…それって…」
JH「俺とAのだけど…気にいらない？」
ウソっ!!
あたしと…ペアマグ!?
な、なんで…!?
A「なんで？…」
JH「だって家にAのマグカップ無いから。どうせならお揃いがいいし…でもいっ！…」
A「嫌じゃない!!嫌じゃない…気に入ってるし…嬉しい」
JH「ふふっ。」
A「あの…ありがと…ジョンハンくん」
JH「全然っ。俺が欲しかっただけだから。A…大丈夫？」
A「うん。へへっ」
JH「…そか。なぁA。何かあったら我慢しないで言って俺…気ぃ効かないから…」
A「…分かった。心配させてごめんなさい…」
JH「A。ちょっとだけいい？」
ぎゅっ
JH「良かった…何かあったのかと思ったから…」
ジョンハンくんはそう言ってしばらく抱きしめたまま動かなかった
A「あの…ジョンハンくん？」
JH「あ、ごめん…居心地良くて…へへっ」
うんと…
終始勘違いが止まらないんだけど…
えっとこれは
彼女っていう設定上こうなってるんだよね？
だから勘違いしちゃダメなやつだよね？
聞きたいけど聞いちゃいけない気がして
あたしもへへっなんて笑って誤魔化した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽけ | 作成日時：2021年10月31日 6時
