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ｱﾀｼは、物心ついた時から毎日喧嘩三昧な日々を送っていた。
"女だから"と手を抜かれたり、舐められたりするのが気に食わなかったんだ。
そして気がつくと、俗に言う"女番長"とやらになっていた。
そんなある日、いつもの様に通学路を歩いていると何処からか犬の鳴き声が聞こえてきた。
捨て犬か ??と思いつつ、鳴き声のする方へ向かうと、其処には既に先客が居た。
『どうしたの ??』
そう子犬に話し掛ける先客は、ｱﾀｼとは正反対の、気弱そうな男だ。
ｱﾀｼは何故か物陰に身を隠して、様子を窺った。
『お前も何処か悪い所があるのかい ??』
その日は丁度雨が降っていたが、小さなﾀﾞﾝﾎﾞｰﾙ箱の中で小さくなっていた子犬を、男は気にせず抱き上げた。
"お前も"という言葉が少し引っ掛かったが、聞かなかった事にした。
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作者名：紫雨 | 作成日時：2018年5月3日 2時
