となり (ページ30)

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「…ごめん、続きさせて」

「くち、」

「うん？」

「ふさいで…っ」

少し血の滲んだ唇に気がついて、
そう懇願されたら叶えるしかない。
さっきの乱暴さとは相反した優しい口付けを交わしながら馴染ませるように奥を突く。
俺のものからも溢れてしまっているのか、
慧の太腿から垂れる白。

うねる様に動く中へ締め付けるタイミングに合わせて強めに押し込めると、絡ませた慧の舌先から唾液がとろりと伝ってくる。

付けたはずのクーラーは止まってしまったらしい。
汗に滲む肌の所為で、また境目が消えていく。

「っ、ふ…こぅた……」

「ごめん、声聞きたい…」

「…っあ、ぁん」

激しい水音、遠慮のない肌がぶつかる音。
部屋に響いてしまっているならもう、

「こぅ、こぉた…あん、こう、たぁ、っん」

「慧…いくよ」

「うんっ…あ！」

誰のものか、

「あぁ、っん…だめ、きもちぃ…よ……っ」

知らしめたらいいじゃないか。

「奥？」

そんな酷いことを考えながらギリギリまで引き抜いてから思いっきり…

「あぁっ！」

押し込んだ。

ドクドクと頂点へ熱さの根源を流し込めば、
いつのまにかまた膨らんでいた慧のそこから同時に吹き出していたのか、俺の腹はまた濡れていた。
ぺたりと落ちてきた慧の身体が張り付いて
俺から離れない。
恥ずかしいのかもしれない。

最後の最後に大きく声を出したのと、
俺のノリにかまけて大胆になったのも含めて。

「…抜いてい？」

「……」

「慧？」

「…りびんぐ、もどる？」

「え？」

舌ったらずにそう言って、ぐしぐしと俺の肩に唇を乗せて噛み付く。
なんでもない、とかもごもご聞こえた気がするが、
こんな色香に浮かされた恋人を放っておく程
頭が回らないわけないだろうに。

「戻んないよ、こんな恋人ほっとくわけないだろ」

「……うん」

やくそく、と小指を絡ませてうつらうつらとするものだからゆっくりと抜いた。
とろりと溢れそうなのを、慧は指で押さえて

「おふろ、いこ？」

と誘ってくるのを、処理だけにおさめてふたりで
シャワーを浴びた。

朝になったら知らないふりをしよう。
繋ぐ手も気にせず見せびらかして、
指輪の意味を味合わせたらいい。

end.