となり (ページ23)

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真夏の夜の夢(yb×in) ページ23

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そういう描写あり
大胆めinです、お気をつけて

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サークルの集まり。
俺からすればただの悪ふざけだ。
今回のは特に。

「はい、どうぞ」

「おお～！けいくんサンキュー！
さすが薮の彼女、気がきく」

「どういう意味だよ」

ふにゃりと微笑む伊野尾と、さらにワイワイと賑やかになる声。
アルコールが入った此奴らほどめんどくさい生き物は居ないだろう。
俺の隣にぺたんと座ったのを見てから
できるだけ小声で俺は口を開いた。

「…ごめんな」

「ううん、全然大丈夫。
外で飲むより、安心だし」

「そんなにフラフラしてないつもりなんすけどね」

「してない、けど」

缶ビールを傾けると、テーブルの下でそっと触れた指先。
伊野尾の頬は桃色。
周りに唆されて少し飲んだのだろう。

「…俺が心配なだけ」

「ああ、そ」

なんでもないフリをして飲み干した。
ふたりでしか生活してこなかった部屋に
他の人間が騒いでいるのが不思議だ。
しかも結構な人数。

『外飲みがダメならさ、宅飲みは？
けいくんそれなら安心してくれんじゃね』

調子のいいパーマに聞いてみろと唆されて
少しでも渋ったらすぐに断ろうと電話をすると
まさかのイエスで。

「なぁ、けいくんもゲームやろーぜ。
やり方教えるからさ」

「えっ、」

「大丈夫大丈夫、簡単だからさ」

俺がボーッとしてたら好奇心旺盛な同級生の餌食になるのが定石。
引き止めようと小指を引いたが、間一髪間に合わなかった。
チラリと俺に視線を寄越したものの手首を引かれたら隣に座ってしまう。

隙だらけ。

いつもは優越感を感じる部屋の照明に反射した銀色の指輪が、今日だけはカンに触る。

「ねえ、こうたくん」

「…なに？」

そんな手取り足取りしなくても、コントローラーくらい触れるだろ。
肩と肩、耳と口元。
アルコールの温度。
想像に容易いあれこれに進む苦味。

「けいくんといつから付き合ってんの？」

「あー、それ気になってた。
っていうかやぶくんってずっとそっち系だったの？」

「高校から、そっち系は…よくわかんないけど」

「えっ、じゃあ女の子と付き合ったことあるの？」

「…まあ、昔は」

やっと隣に座れた、という俺の心配は
伝わっていなかったらしい。
興味にまみれた同級生の質問攻めに驚きながらも遠慮がちに言葉にする姿にこいつらはすっかり虜になっていた。
ハエみたいに両手で振り払えたら良かったが、
鬱陶しいと思われるのも嫌だった。

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