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「あーーーーもう、なんなんですか、あのひと！
ほんと、なにかんがえて、んのか分かんない…っ」
「まーま、落ち着けって。俺に話してみ？な？」
この光景、完全に2回目だ。
行かないと突っぱねた筈なのに、結局流されていつもの居酒屋。有岡先輩の隣に知念がいるのが違うところだけど。
「おれ、ちゃんと言ったんですよぉ？ でもなんの反応もなくてテキトーに流されて！ しかも男いるみたいだしっ」
「え、おとこ？」
「そーれすよ、先輩うそついたでしょ。
おもしろがって、うそ！ついたでしょ！」
「いやいやいや、ついてないよ。
山田にはもう近寄らないって……」
「へ…？」
「ああ、いや…でもなんでそう思ったわけ？」
急に鋭くなった先輩の瞳。
ゴクリと飲んだ生唾を感じたけれど、頭がボーッとして呂律が回らない。
あ、落ちる。
「あっ…ゆーてぃー寝ちゃった」
「はぁ……」
「…大貴？」
「ああ…俺、タクシー捕まえてくるよ」
遠くでそんな二人の会話が聞こえた気がする。
俺、また迷惑かけちゃうな。
でも…なんで先輩、あんなに険しい顔したんだろう。
『山田にはもう、近寄らないって…』
どういう意味？
「1台捕まった。行こうか」
「先輩、おれ…ひとりで帰ります」
「えっ、お前そんな千鳥足で帰る気か？」
「落ち着いたら、歩いて帰ります…だから、
先帰ってください」
「………分かった、気ぃつけて帰れよ」
「はは、大丈夫れす…だいじょうぶ」
口の中から声を出す度アルコールの香りがした。
もう既に酔っているはずなのに、さらに意識が弱くなる。
先輩が知念と連れ立って出ていくのを見送って、
俺はテーブルの上に突っ伏した。
気持ちの重さに潰れそうだ。
山田さんのことを想うと、頭の先からあっという間にぺしゃんこになるような。
身体が真っ二つになるような。
酷い独占欲に塗れてしまう。
「………くるし」
恋心と相手を想う気持ちというものを同時に強く感じるなら、それは確かに大事なひとなんだろう。
相手を思って涙が流せるなら、それは確かに
共存を望んでいるのだろう。
レモンの浮いた水を喉に流し込んで、なんとか立ち上がった。
気持ちひとつコントロールできないガキに惚れられてしまった彼を憂いながら向かう先は
明かりの灯った籠城しか無い。
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らら(プロフ) - ２番目の恋人、すごく大好きで、繰り返し何度も読んでいます。今回、その後の話が読めて嬉しいです。恋人になってから時間がたっても、敬語で話す裕翔くんが可愛いです。次回作も楽しみにしてます。 (2018年5月15日 13時) (
レス) id: b61be20377 (このIDを非表示/違反報告)
あわび(プロフ) - ゆとやまは正直いままであまり興味がなくて、スピンオフのやぶいのから読ませていただいたのですが良すぎて本編も一気読みしてしまいました。結果ゆとやまにハマりそうです、笑。しめじさんの心の描写が大好きです。素敵な作品をありがとうございます。 (2017年11月2日 10時) (レス) id: fe63f96f9f (このIDを非表示/違反報告)
あさ(プロフ) - こんばんわ。いつも楽しく拝読させていただいております。ゆとやま大好きなので、このお話大好きです！中島くんと山田くんのその後のあれこれ、続きを楽しみにしています。 (2017年10月28日 19時) (レス) id: c8480f472b (このIDを非表示/違反報告)
ｃ(プロフ) - はじめまして。とても良かったです。一気に引き込まれて最後まで読ませて頂きました。ずうずうしく申し訳ございません。その後の2人が読みたいです。ざっくりで申し訳ございません。次回作も楽しみにしております。 (2017年10月23日 23時) (レス) id: 3234dce174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しめじ
| 作成日時：2017年10月20日 13時
